モノを手放すシーズン、なかなか手放せなかったあの子といよいよお別れかな。
3月は年度の変わり目、子供たちにとっては新しい学年へのステップアップの時。そして、私たちにとっても、不要になったモノを手放す絶好の機会だ。
子どもの成長とともに、家には次第にモノがあふれがちに。4年前には一人暮らしをしていた母が、将来を見据えて私のそばへ引っ越してきた。
実家を売却した際、多くの私の荷物を処分したが、捨てるべきか迷ったモノは結局、我が家へと移された。結果、クローゼットは満ぱい状態に。
私自身、40代半ばを迎え、人生の折り返し点に立っていることを実感している。過去は心にとどめ、大切なモノは写真に収めればいいと、モノへの執着を手放すようになった。
コロナ禍の自粛期間がその決断をあと押しし、さくさくと手放し始めた中で、どうしても離れがたいものがひとつあった。
それは、子乗せ電動アシスト自転車だ。
自転車のモデルは、Panasonicのギュットシリーズ20型で、身長が150cm足らずの超小柄な私にとって、まさに救世主だった。
この自転車は、中学2年生の長女が2歳だった2011年に購入。保育園の送迎はもちろんのこと、お出かけや習い事の送迎にと毎日のように活躍していた。
長女と次女は6歳差で、同時に乗せることはほとんどなかったが、長女が自転車に乗るようになったあとは、つづいて次女を乗せていた。
使い始めてから11年。家から保育園、駅まで、いったい私は何往復したのだろうか。
暑い夏も、寒くて凍える冬も、雨の日には子乗せシートにレインカバーをつけて子どもを乗せて毎日走っていた。
子どもを保育園に送り届けたあとは、電車に乗り遅れないように必死に自転車をこいでいた。
何度か修理に出し、部品を交換したり、標準でついていた前の子乗せシートを普通のカゴにチェンジしたり、後ろに子乗せシートを新たにつけるなどカスタマイズしたりして、愛着は深まる一方だった。
重量が30キロほどあるため、子どもを乗せたまま、押して歩いて曲がろうとするとバランスをくずしやすく、乗り始めの頃は何度か転倒し怖い思いもした。子どもはもっと怖かったはず……。ごめんね。
自転車を見ていると、あの頃の自分や過ごした日々を思い出してしまう。
しかし、10年を超えた頃からは老朽化が進み、全体的に錆びついたり、不思議な異音がしたり、安全に使い続けるのが難しくなってきた。
次女も小学2年生になり、自分の自転車に乗るようになった。保育園送迎の必要もなくなり、子乗せ自転車の役割は終わりを迎えた。
それでも、この2年近く、自転車を手放せずにいる。
過去は心にとどめ、モノへの執着を手放すようにし始めたのに、この自転車だけは別格だった。
自転車は、自宅の駐車場の端に置いている。子どもたちの自転車も大きくなり、あきらかに駐車場が手狭にもなっている……。
今、私が人生の次のステージに進むためには、そして駐車上を有効に使うために?いよいよ手放さなければならない。
自転車へたくさんの感謝を伝えて、お別れしよう。
そして、今度は自分だけが乗る街乗り自転車を探したい。
本記事は、手放す決意と自転車への感謝の気持ちを込めて書きました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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