「劇映画 孤独のグルメ」を見たよ。「食」は人と人を繋ぐ。
「腹が、減った」
おじさんがただご飯を食べるだけのドラマ、孤独のグルメ。
それがなんと映画になるというではないか。
本作の大ファンである私は、もちろん見に行こうと思い、子どもを保育園に預けた後に映画館へ。映画館で映画を見るなんて、本当にいつぶりだろう。
しかし、ただおじさんがご飯を食べるだけの作品が、映画になるまでお客さんの心を引き付けるとは思わなかった。調べてみるとなんと12年目になるというではないか。シーズン1が放送された時は「知る人ぞ知る」みたいなマニアックな作品だったのに、今は多くのファンに愛されている。水曜日の朝一発目の放映だというのに、席はまあまあ埋まっていた。
松重豊さんが脚本・監督・そして主演だという。
映画を見ていて、松重さんはよくもここまでドラマティックに物語を展開させられたと、関心してしまった。面白い、ファンとしては十分すぎるほど満足な一作だった。
この作品を見て思ったこと。
それは「食は人と人を繋ぐ」ということだ。
食材探しの旅で、五郎さんは様々な食事を行う。
「うまそうだ」という気持ちはどこの国に行っても変わらない。
「腹が減った」という気持ちはどこの国に行っても変わらない。
そして、その食材や料理たちが、一人、一人と輪を広げていく。その様が、実に心を打たれた。
ネタバレになってしまうから具体的な内容は控えたいが、違う国の人と同じ食事の席になってしまうシーンがある。そこで、言葉が通じないけれども、思っていることはほとんど同じというシーンが、僕は大好きだ。違う国の人と一緒にいる時の気まずさみたいなものが、食を通して緩和していくさまが、とてもいいなぁと感じた。
松重豊さんは「もう孤独のグルメやりたくない」と言っているようですが、こんな良い作品を生み出してしまったらまだまだ頑張ってもらわなければならないんじゃないかなぁと思います。それに加えて、韓国での孤独のグルメブームが勃発。これは、松重さん、まだご飯をたくさん食べないと。
もう運動量が若い頃に比べたら全然で、食えば食うだけぶくぶく太る(あと抗うつ剤の影響も)私にとっては、昔のように孤独のグルメごっこは出来ないけれど、今日の昼くらいは美味しいご飯を腹いっぱいたべようかと思ったのでした。