凶暴度史上NO.1アニメ「ポプテピピック」の恐ろしさ
今回は、アニメ「ポプテピピック」を取り上げてみたいと思う。
これは、ある意味とても有名な作品である。
「ネット流行語100」2018年の年間大賞だったほどだし。
とはいえ、その評価は大きく二分されている。
「面白い!」という反応と、「ワケ分からん・・」という反応にね。
個人的には、「ワケ分からん・・」と反応してる側の方が人としてマトモなセンスだと思うけど。
これの原作は、竹書房のWEBコミック配信サイトに連載された4コマ漫画である。
そのアクセス数は記録的なものだったらしいし、これが話題作だったというのは間違いない。
ただ、漫画の内容が面白いからアクセス数が多いというよりも、どっちかというとこれ、「炎上商法」なんだよね。
ざっと、その炎上の序盤の流れを示しておこう。
<「ポプテピピック」炎上の歴史>
【2014年】大平ぶくぶ、「ポプテピピック」連載開始
【2015年】竹書房、連載を打ち切り
【2016年】大平ぶくぶ、新企画「☆色ガールドロップ」連載開始
⇒王道のラブコメとしてスタートしたけど、途中から「ポプテピピック」のキャラが出てきて、これが「ポプテピピック シーズン2」であることを宣言
【2017年】竹書房、連載を打ち切り
といった感じで、大平先生⇔竹書房の攻防が話題になったわけさ。
大平先生は、その後も
新企画「ぽぷたん」連載開始
⇒でも、いつの間にか内容は「ポプテピピック」になっていた
新企画「幼馴染が俺を差し置いていい感じだ」連載開始
⇒でも、いつの間にか内容は「ポプテピピック」になっていた
新企画「☆色ガールドロップREDROP!」連載開始
⇒でも、いつの間にか内容は「ポプテピピック」になっていた
こうして、いくら竹書房が繰り返し潰そうとも、ゾンビのように必ず蘇ってくる「ポプテピピック」は、ひとつのお約束になったわけだ。
いや、もちろん、こういうのはあくまで「メタフィクション」だと思うよ。
よくプロレスでも、マスコミの前でレスラーとプロモーターがド派手に喧嘩したりするけど、それと同じことさ。
で、こういう「ポプテピピック」vs竹書房という流れはアニメ化の際にもうまいこと適用されていて、
竹書房、アニメ「ポプテピピック」の製作委員会には入らなかった(つまり、出版社のくせに出資をしなかった←一応、これは事実)
うむ、こういったメタフィクションの部分を楽しむのが「ポプテピピック」視聴のコツだろう。
なお、アニメ化の前段階で、
ポプ子cv小松未可子 ピピ美cv上坂すみれ
と大々的にイベントで発表したのね。
小松さんも上坂さんも超人気声優だからファンも大喜びだったんだが、
しかし第1回放送を見たら、
ポプ子cv江原正士
ピピ美cv大塚芳忠
になっていたという、これもまた一種の「炎上商法」である。
・・うむ、苦情がきてこそナンボというスタンスだね。
なお、その第1回放送も序盤は「☆色ガールドロップ」として始まり、途中から「ポプテピピック」に変わるという流れは、ある意味原作通りだ。
中央:そそぐcv小倉唯
右:しずくcv水瀬いのり
左:ころなcv上坂すみれ
しかし、豪華声優の無駄使いやろ・・。
さて、ここで「ポプテピピック」を一度も見たことがないという人の為に、この作品を象徴する映像(50秒)をご紹介しよう。
まず、これを見て下さい。
まぁ、この感じが続くと解釈してもらばいいと思う。
くだらない?
・・それはひとまず置いとくとして、ポイントはAパートが
ポプ子cv江原正士
ピピ美cv大塚芳忠
で、続くBパートが
ポプ子cv三ツ矢雄二
ピピ美cv日髙のり子
という、「タッチ」の黄金コンビだったことだね。
そう、「ポプテピピック」は30分番組だが、前半15分と同じ映像を後半15分に再び流し(再放送?)、そこで声優の入れ替えを行ってるんだよ。
で、毎回ポプ子とピピ美のcvは変更されて、しかも前半/後半の入れ替え制だから、1期だけでも24組(48名)がポプ子/ピピ美を演じたということさ。
2期やスペシャルを入れると100名以上になると思う。
それらを全部列挙するのはメンドくさいのでやめるけど、目ぼしいところをざっと挙げると
古川登志夫/千葉繁
悠木碧/竹達彩奈
中尾隆聖/若本規夫
日笠陽子/佐藤聡美
中村悠一/杉田智和
水樹奈々/能登麻美子
速水奨/中田譲治
小山茉美/三石琴乃
保志総一朗/石田彰
田村ゆかり/堀江由衣
小野友樹/小野賢章
花澤香菜/戸松遥
櫻井孝宏/福山潤
花守ゆみり/東山奈央
緑川光/子安武人
平野綾/茅原美里
井上和彦/堀川りょう
朴璐美/釘宮理恵
榎木淳弥/内田雄馬
緒方恵美/宮村優子
堀内賢雄/大塚明夫
豊崎愛生/寿美菜子
岡本信彦/阿部敦etc
いやホント、豪華すぎやろ・・。
こんなクソアニメにこのメンツ、おカネの無駄使いも甚だしい。
で、基本は録り直しナシの一発録りだったらしい。
声優のアドリブも全部OKだったそうだ。
で、個人的に「凄いな~コレ!」と思ったのは、花澤香菜さんのアドリブである。
ちょっと見てもらおう。
・・泣ける。
多分、これは声優さんたちの力量を試すアニメともいえるだろう。
たとえば固定されたセリフでも、声優さんによって各々表現法が異なるものである。
それを少し見てもらおうか。
・・最後の方は、ほとんど原型をとどめてませんでしたね。
なんていうか、「アニメ」というよりは「深夜バラエティ」と解釈した方が正しいかもしれない。
内容が攻めてるというか、著作権ギリギリのところ狙ったパロディが多く、かなりヤバい。
なお、原作者の大平先生自らアニメ制作に深く関わっており(声優のコンビ組み合わせは大平先生考案のものらしい)、そのフザけた精神はかなり徹底されたものである。
また、アニメーションとしてもかなり野心的な試みが施されていて、
人形を使ったストップモーションアニメ
紙芝居
実写との融合
他作品とのコラボ
などなど、ありとあらゆることを試している。
2期の最終話に至っては、ラスト数分を除いてほぼ全部が特撮ヒーロー物になってたんだよね(しかも結構おカネかけた本格的なやつ)。
これ、「ポプテピピック」と違うやん!というツッコミ待ちのボケの為だけに延々と20分以上もの時間を費やし、最後の最後になって出てきたピピ美のcvが池田秀一だったという(しかもセリフはひと言のみ)、トンデモないオチでした。
多分、長い日本アニメの歴史の中で、これほどフザけたアニメもないだろう。
「銀魂」や「おそ松さん」もかなりのものだったが、それでも凶暴度でいうと「ポプテピピック」の方が頭ひとつ抜けてると思う。
いや実際、私は今でもたまにエイサイハラマスコイ踊りしてるし、それほど「ポプテピピック」は心に残ったということさ。
<エイサイハラマスコイ踊り>
で、気になるのは「3期はある?」ということだが、問題は出資、つまりは製作員会である。
今までこれは製作委員会制度をとらず、キングレコードの単独出資という形で何とかやってきたわけよ(複数企業が絡むと問題が起きた時に逆に大変ということで、言い出しっぺのキングレコードがオトコ気を出したようだ)。
ところが、この作品はめっちゃ話題になったのは事実にせよ、その割にDVDが全然売れなかったらしい(4000枚程度)。
で、現在「ポプテピピック」のHPには、このようなTOPページ↓↓が表示されている。
竹書房のみならず、今度はキングレコードにも喧嘩売ってるわけね?
ニコニコ超会議では、キングレコードビルを破壊するイベントを実施したという。
仮にも、今まで湯水のごとくおカネを使ってくれたキングレコードに対し、何たるムゴい仕打ち・・。
この回↓↓では、キングレコードが単独出資から製作委員会制度に切り替えることを示唆し、だが、その野望をポプ子とピピ美が阻止しようとする闘いが描かれてるのさ。
でもまぁ、近いうち3期はあるような気がする(もしくは声優を入れ替えての2期再放送かも?)。
多分、皆さんの中に「ポプテピピック」未見の方は割と少ないと思うけど、それでも仮に未見の方がいらしたら、是非ご覧になってみて下さい。
何なら、御贔屓の声優さんの回だけをチョイスして見るようなスタンスでも構わんと思います。
企画がバラエティ番組的であるがゆえ、一般的なアニメでは見れないような
声優の野性
を見ることができ、ある意味、お得感あるアニメだよ。
ただし、見て「あぁ、よかった」と思っていただけるかは、その保証まではできない。