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あなたのホーム画面を「まぬけ携帯=ダムフォン」化しよう【Before Launcher】
以前こちらの記事を書いた。↑
日々増えつづけるインターネットサービスの数々と、それらへのアクセスをベッドの上から指先ひとつで容易にかなえるスマートフォン。脳の大きさは10万年前から変わっていない(出典)というのに、環境の変化があまりにも早すぎるではないか。
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そんな状況へのカウンターカルチャーとして、近頃「デジタルデトックス」の概念も浸透してきたというお話。
デジタルデトックスとは、一定期間スマートフォンやパソコンなどのデジタルデバイスとの距離を置くことでストレスを軽減し、現実世界でのコミュニケーションや、自然とのつながりにフォーカスする取り組みです。
私自身もスマホを見るだけで終えてしまった無駄な一日に憤りを感じた経験が多く、どちらかといえばデジタルデトックスは肯定派。必要以上に利用者の関心を引くよう設計された各種サービス・アプリにのめりこまないような工夫を考えながら生活している。
「まぬけ携帯=ダムフォン」たちはそんな層のニーズを狙い撃ちしたように敢えて機能やスペックを削ぎ落とし、ユーザーに現実世界での体験へ目を向けさせることを目指して生み出された面白いデバイスの一陣だ。
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私もそれに憧れて、わざわざ中古の古いiPhoneを購入してバッテリーを交換しながら使ってみたりもしたが……。
しかし、一度便利に生活していたものをわざわざ不便に引き戻すのはやはり難しい。それまで一般的なスマートフォンを使っていたところから急に古いスマホにしてしまうと「必要なアプリがインストールできない」「動作が遅い」といった小さなストレスがどんどん積み重なっていく。
よく部屋選びなどに際して「生活レベルを上げると二度と下げられない」という言葉を聞くがこれは本当にその通りで、もう2020年代のガジェット群に囲まれた環境から後戻りはできないのだと痛感した。
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というわけで現在は紆余曲折を経て、信頼性があり現状いちばん長く使えるであろう最新スマートフォンのうち、画面サイズが大き過ぎない「Pixel 8a」に落ち着いた。カラーはPorcelain。
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学生の頃は強烈なApple信者だったが、それも今は昔。AirDropをはじめとするAppleデバイスとの連携や洗練されたUIの恩恵は大きかったが、それ以上にAndroidスマートフォンには大きすぎるメリットがある。
それは「サードパーティアプリによるカスタマイズ性が高い」という点。
特に今回注目したいのは待受画面を一新できるランチャーアプリ。その中に私のようなミニマルデザイン好きにはうってつけのアプリを見つけたので紹介したい。
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それがコチラ、Before Launcher。似たようなシンプルさのランチャーはいくつかあるが、課金せずにある程度の機能が使えてしまう点が気に入った。
潔い待受画面には、いくつかピックアップしたアプリが文字で表示されているのみ。
アプリは自分で選択できるほか、日時などのウィジェットは表示/非表示の切り替え、およびタップした際に起動アプリを設定することができる。私は時間をタップすると時間アプリ(アラームのアプリ)、日付をタップでGoogleカレンダーに飛ぶよう設定した。
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スライドすると現れるのはアプリ一覧。ここから文字情報だけを頼りに使いたいアプリを選んでいくのだが、なんとも絶妙に食指が動かない。アプリアイコンのビジュアルイメージがない分、条件反射的に楽しそうな色合いのSNSアプリを開いてしまうような機会がめっきり減った。
アプリアイコンからの痛烈な「私を開いて!」という誘い文句を断ち切ることができ、そのときどきに自分の使いたいアプリを選ぶ能動性が心地いい。
Before Launcher自体に各種通知を制御する機能もあるようで、使いこなせばよりアプリに時間を吸われる事態が起こりにくくなるだろう。
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数ある「ダムフォン」たちとは違い、ミニマルなのはあくまでホーム画面のみ。中身は最新のAndroid OSのため日常生活であれこれができず困る場面は全くないはずだ。お手元にAndroidスマートフォンがある方はぜひいちど試してみていただきたい。