2024年読書評16 三毛猫ホームズ再読
「三毛猫ホームズの推理」
赤川次郎
最近、本当に読みたい本がないので、三毛猫ホームズを読み返すことに。
これは第一作。
女子大で売春組織が動いているというので、片山刑事が派遣される。すると売春をしていた女子大生が殺される。
文学部の部長も殺され、連続殺人が始まる。
というもの。
この第一作は昭和53年、1978年に発行されています。
当時私は本屋で雰囲気に釣られ買って読みました。以来、シリーズ10作くらいまで読みました。のちに読むのを止めたのですが、その理由はやはり、
赤川次郎はライトすぎるということ。あまりに売れっ子になって、俗っぽくなったことなどです。
が、ストーリーも引っ掛かります。
本作は、おそらくシリーズ化するつもりもなく、一作で終わらせようとしたものと思われます。
ユーモアはあるのだけれど、登場人物の誰もハッピーではない。
当時、私はユーモアの点、猫が出て来る点、推理小説の面だけを見て、面白いと思ったのですが
当時、友人が「この本、暗いね」と言っていた意味があまりよく分かりませんでした。確かに登場人はボロボロですが。
この本は2016年に再読しています。ので、3回目ということになりますが、読み返すと暗さが分かります。
なぜこんなに暗くなったのかというと、当時はミステリーというと
「知的なパズル」であり、「いかに斬新なトリックで、いかに論理的か」に焦点が当てられていた時代だったのです。
登場人物など二の次。
しかし時代が変わり、トリックや推理よりも、物語、人物に焦点を合わせるようになると、この本の評価は難しくなります。
つまり、あまり高評価できないということです。
しかし読書としては、先が気になる作りになっており、すいすい読みすすめることが出来ます。
そういう意味では出来が良い本、ということも出来るのです。
「三毛猫ホームズの追跡」
シリーズ2作。
再読。
片山は本作で29歳になっている。つまり、一歳年をとったということ。
シリーズになって年をとらない設定になったが、この頃はまだ設定が定まっていなかったよう。石津刑事は本作から登場。
教養センターに勤める晴美。そこへ全クラスを受けたいという謎の女性が現れる。しかしその人の残した電話は警視庁、名前は過去の殺人事件の被害者のものだった。
片山刑事が調べると過去の事件の被害者のマンションはまだ残っており、妹が住んでいた。しかしその妹も殺され・・・。
教養センターの講師が次々に殺されて行く、
というもの。
本作、第二作目ですが、まだ本文がユーモラスになっていない。
やはり、謎とシチュエーション、トリックに重点を置いているという印象。
しかし主人公が片山刑事で、読みやすい。
後期の作品になると片山が主ではなくなり、三毛猫ホームズである意味がないものが多くなる。
初期の15くらいまでか? は面白く読めます。
ココナラ
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