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2024年読書評21 タロット・アイリッシュ・紅子・三毛猫

「西洋骨牌探偵術」
都筑道夫 再読
タロット占いをする探偵の話。しかし、主人公は占いの素人という設定。
おそらく作者自身、占いに詳しくなかったのであろうし、主人公が論理的に推理で謎を解く設定を強調したかったのでしょう。

最初に読んだ時は、シリーズものなのに、一冊分足らず、5編くらいしかないのにあきれたものでしたが、作者があきっぽいので途中で止めたとのことでした。
そして当時はあまり面白く感じなかったけれど、今回の方が読みやすく感じました。


「睡眠口座」
ウイリアムアイリッシュ
再読
途中放棄。短編集の表題作は読んだ。かなり以前に読んだので、今回読むと印象は違った。随分忘れていたのです。
たしかこれは日本で映画化されたはずです。でも、当時の日本映画はことごとくつまらないので、面白くない映画になっているはず。

ホームレスになった青年が新聞で「長年引き出されていない預金は国庫に入ってしまうからその前に名乗り出てくれ」という広告を見て、なりすましで金をもらおうとする。すると思いの他大金を手にすることが出来るのだが、以来、何者かに狙われるようになるというもの。
物語自体は面白い。


「前後不覚殺人事件」
都筑道夫 再読
あまりにも読むものがないので、ライトな感じの本を読み返そうとしたわけです。

これはあまり面白くない印象だったのですが、今回もあまり面白くない。
いわば、誰が犯人かという推理小説です。
冒険性、主人公の危機、恋、そのようなものがなかったからかも知れません。それに集団劇なので、特定の中心人物がいない。

ただし、泥臭さはなく、むしろ現代によくあるライトな日常ミステリのような、いい意味の軽さはあります。


「三毛猫ホームズの卒業」
赤川次郎
5つの短編
「卒業」
結婚式で花嫁が他の男と駆け落ちし、その後花嫁が殺されている、というもの。
「衣装戸棚」
引っ越しの最中、運んでいたタンスから死体が出て来る。
「幽霊船」
遊園地の船のアトラクションで洞窟の中で事件が起こる。
「招待席」
映画の上映に招待された一行、そこで事件が。
「噂話」
見合いをする片山刑事、しかしその相手がレストランで飛び降り自殺をしようとする。

私が気になったのは・・・
赤川次郎は「弱いものの味方」と言って、不倫当事者を美化することです。たしかに弱っている人、反省する人はかばう必要がありますが、彼の場合、不倫、姦淫を肯定しているように私には見えます。不倫をして、姦淫をして、傷ついている人をやさしい目で見よう、そうでない人は冷たい人だ、人は誰でも過ちを犯すのだから。というけれど、しかし彼の場合、端からそれらを肯定しているように見えます。まずはそれらを否定するところから始めなきゃいけません。そうしないといつまで経ってもそのような問題は解決されず、繰り返しとなってしまいます。私は責めろと言っているのではなく、まずは戒めをして、その上で二度と繰り返さないようにしなければならないのです。
例えば、アフリカ。一昔前は孤児が非常に多く、飢えて亡くなっていました。その理由はフリーセックス。無責任な妊娠と子供の見殺し。「その親を責めるな」というのは間違っている。子を責めるのはあってはならないことだが、親には戒めが必要。これと同じことです。そうして二度と繰り返さないようにすることが必要なのです。
不倫、姦淫も同じです。

赤川次郎の小説でいつも不快さを感じるのはこの点です。



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