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2023年読書評13 三毛猫ホームズ
「三毛猫ホームズの卒業論文」
赤川次郎。
シリーズ40作目。2003年の作品。
結婚式場で花婿への恨みのための刺傷事件が起こる。居合わせた片山刑事と妹の晴美が事件に関わる。
花婿は花嫁の後ろに隠れ、その花嫁を助けるために友人の女性が刺される。命は助かるが刺した女は自殺。刺された女性はこんなことを思い出す。
学生時代、一緒に卒論を書いていた恋人が刺された事件があったが、犯人は捕まっていない。その卒論というのがある殺人を扱ったもので、犯人は別にいる、というものだった。
一方、ホテルマンの女性が刺殺される。
いつものことですが、どうも物語が複雑すぎる。
気になったのは会話の中で片山が後輩の石津に「ぼくは」という所。通常、片山は彼に「俺は」という。
一人称に疑惑が。
私はこの本もそうだけれど、赤川さんは調子が悪かったり、あまりの売れっ子のため原稿が追い付かず、編集者に一部書かせているのではないか。
また、片山のキャラクターも徐々に変わって来ています。
このシリーズはサザエさんのように登場人物が年をとらない設定になっていますが、片山はかつてのような気の弱い、線の細い人物ではなく、貫録のある中年刑事のようになっています。会話の端々から。
作者は意識せずに自分の年齢を反映させているのではないでしょうか。
この頃の片山は実質40くらいか。
結論として、
このシリーズ、旧来の推理小説同様、昔の推理作家はどうもトリック重視で、謎を解く方に力点が行っていますが、私としてはもっとサスペンス、冒険の方に力点が行った方が好みです。
例えば、ここではそうなっていなかったのですが、「論文」に謎があり、それを解いて行くとか、そのために片山が方々に冒険するとか。
ココナラ
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