2024年読書評14 シャーロックホームズ
「シャーロックホームズ最後の挨拶」
コナンドイル
ホームズものは何回も読んでいるのですが、たまに読み返そうと思います。しかし冒険、回想、復活はあまりにも記憶しているので、事件簿か最後の挨拶をチョイス。しかし事件簿も記憶に新しいので、最後の挨拶に。
すると半分くらいはタイトルを見ても内容が思い出せないのです。前半4つは忘れている。
「ウイスタリア荘」
内容を憶えていない1つ。
偶然出会って意気投合した男の家に泊まる男。しかし翌日、男と家のものは忽然と消え、しかも男は死体で発見される。
容疑者にされた男はしかし事前にホームズに相談に来ていた。
泊まった家、翌日目覚めるともぬけの空、というのが面白い。
このような、謎、興味を引くプロットというのがミステリの醍醐味であろうと思います。
そしてこのような日常の小さな出来事から、国際的な犯罪に結びついて行く。
「ボール箱」
私の記憶では指が送られて来たと思っていたら、耳でした。
ある平凡な老婆の家に箱に入った人間の耳が送られてくる。関係のない老婆になぜ、誰かがこんなものを送り付けてきたのか。
後期の作品になるとホームズのつぶやきが哲学的になり、興味深い。
なぜ人間はこんな悲劇を繰り返すのか。偶然なのか。天の摂理なのか。・・・何かの目的があるはずで、宇宙というのは偶然で運行しているわけではない。
ドイルはきっとカルマと人間の意志について気付きがあったのでしょう。
「赤輪団」
謎の下宿人がいるということで大家から依頼を受けるホームズ。
何気ない依頼が国際的な犯罪に結びつくというもの。
「ブルースパティントンの設計図」
ホームズの兄マイクロフトが彼に依頼する。国家の機密書類が盗難にあい、盗んだと思われる役人は死体で発見。盗まれた書類はまだ出回っていないはずだからその前に取り返してくれという。
線路沿いにあった死体、その謎がポイントといえるでしょう。
このトリックはクイズ本になったり、コナン君で使われたり、あちこちで模倣されていると記憶しています。
「瀕死の探偵」
以下4編はタイトルからあらすじが思い出せる。
これは有名な一話で、ホームズが病原菌で死にかかるというもの。
「フランシスカーファックスの失踪」
このトリックはけっこうあちこちで使われていると記憶しています。
ウイリアムアイリッシュも使っていました。
ただ、今回、私の記憶とはちょっと違って、ドイルのオリジナルの方がシンプルであるように感じました。
でもおそらく、この手のトリックものとしてはオリジナルです。
「悪魔の足」
ホームズものの特徴は法は法と言わないところです。
彼は正義のためなら軽罪を犯します。「ブルースパティントン」でも不法侵入したり、「フランシスカーファックス」でも令状がないのに行動したり。しかし、そうしないと命が失われる危険があったり、功を奏したりしています。
一体、法とは何か。法は法のためにあるのではなく、人間のためにあるのだと、日本人は気づくべきであると私は思います。
ここでは彼は罪人を放免したりします。これも人によって、法は法だからと納得しないでしょう。
しかし法は法のためではなく、人間のためであり、天の法、天の意志に照らし合わせるというのが正解だと私は思うのです。
「最後の挨拶」
ドイツ人の要人たちの密談。国の動向について話合っている。
時は大戦前。
要するにドイツに有利にならないようにイギリス人がひそかに活動していた、というものです。
私はこの話だけ、いつも読みづらい。
ドイルは最後にホームズは国に貢献したと書きたかったのでしょう。
その設定に固執したから、物語先行ではなく、面白くない話になったという感じがします。
ココナラ
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