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いたんぽのさあら?

イタドリは、憧れの野草として頭の引き出しに長期間しまわれたままでした(ここ多賀町でイタドリ煮に出会うまでは)。

小学生低学年のころ、遠足で山に登り、イタドリを採って帰ったことがありました。たしか、「スカンポや」言うて、みんなで折ってかじった記憶が・・・。
持ち帰ったイタドリ1本を母に見せると、皮を剥いて包丁でザクザクと切り、塩をパラパラとふりかけ、小鉢に入れて出してくれました。
遠足で疲れた身体に、めちゃくちゃ美味しく感じ、イタドリは至高の食べ物だと脳に刻まれた瞬間でした。
母は、香川県の真ん中あたり、中讃の出身。海から少し離れた、ため池が四方八方にある田園地帯で育った人でした。「イタドリはおやつ代わりに食べよったけん」と。
私が生まれ育ったのは、香川県東かがわ市の海沿いの田舎。イタドリかも?と見つけるも、海岸沿いの砂地に生えるのは、スイバやギシギシばかり。
イタドリを生で食べたのはその一回きりでした。たぶん。

先日、帰省した時、本棚にあった『聞き書 香川の食事』を借りて帰りました。年中行事の食文化の違いを読んでみたかったのと、高校を卒業するまでの記憶しかないので、改めて知りたいと思い・・・。

1990年発行


イタドリ情報も、もしかして載っている?と索引検索。
「イタドリ」ではなく「いたんぽ」と。
「いたんぽ」とは聞いたことがないなぁと思い、聞き取りした場所を見ると、旧塩江町でした。
塩江町は塩江温泉があるところ、町村合併される前の記憶しかなく、徳島県と県境の山間部のイメージ。「さあら」も初めて聞く言葉。

いたんぽのさあら
苗代をたてるころのいたんぽは、たけて(伸びて) 太くなるのでさあらにする。手で押さえて半分に割り、身のほうに塩をふってしばらく日に当てると身がとりやすい。こ の食べ方をさあらという。もっぱら子どもの間食である。

日本の食生活全集㊲『聞き書 香川の食事』より
農山漁村文化協会 発行
『聞き書 香川の食事』より

「いたんぽのさあら」は、もっぱら子どもの間食、食卓に出すまでのものではなかったのですね・・・。
シュウ酸を水で晒して抜いて調理はされてなかったようです。
母が作ってくれた、イタドリにさっと塩をふりかけたもの。同じように、少し作って食べてみましたが、シュウ酸がきつく、そんなにたくさん食べられるものではありません。
やはり、さっとお湯にくぐらせて水に取り一晩晒さないと、おかずの一品にはできませんでした。

塩と砂糖をまぶしたイタドリの甘酢
つくり方は↓

https://note.com/yobishitaga/n/n2e92a5155d89


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