『実存主義とは何か』(J-P・サルトル著、伊吹武彦、海老坂武、石崎晴己訳、人文書院)
読了日: 2024/5/20
無神論者の著者は実存(人間)は“みずからつくるところのもの以外の何ものでもない”とし、生まれてから経験し考える時系列から「実存は本質に先立つ」と講演で表したのが本書の要諦のようです。
“みずから選ぶ”スタンスから他者との相互認識(相互主体性)や世界との関係性を思考する哲学のひとつようです。やや難解な用語は[アンガジェ:engage、アンガジュマン:engagement]と英訳すると理解が早まりそうです。
「実存主義」の位置づけをわかってませんが、主体と他者、世界との関わり合いには活用できる哲学に感じました。
哲学書原文を読むことは少ないのですが、『水中の哲学者たち』(永井玲衣著、晶文社)に「『実存主義とは何か』はもっと多くのひとに読まれてほしい』という趣旨の記述から購読にいたりました。こういう読書の広がりもうれしいものです。