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【第10回】腸内環境を整えるためには脂質のバランスが重要

前回の投稿では「腸内環境を整えるのによい習慣」をいくつか紹介しました。今回は「腸内環境を良くするための脂質の摂り方」について解説していきます。

腸内環境を整えるためには「悪い脂質を控える」「バランスよく脂質を摂取する」の2つが大きなポイントとなります。

トランス脂肪酸はできるだけ控える

トランス脂肪酸は、マーガリンやショートニング、ケーキや焼き菓子、油で揚げたスナック菓子など、私たちの身近な食べ物に含まれています。

出典:医療社団法人 長明会 長沢病院

トランス脂肪酸がもたらす健康への影響として、心臓病や糖尿病のリスクを高めることがわかっており、デンマークやスイス、アメリカなど多くの国で食品への使用が禁止されている(天然由来のトランス脂肪酸は対象外)のです。

最近は日本でもトランス脂肪酸に対する規制が厳しくなっており、スーパーなどで販売されているマーガリンはトランス脂肪酸がかなり低減されています。

ただし、メーカーによっても差があるので、トランス脂肪酸の含有量や、水素添加油脂が含まれていないかをチェックするとよいでしょう。

「メーカー名 トランス脂肪酸」で検索して、企業側の取り組みを調べてみるのも1つの方法です。

バランスよく脂質を摂取する

健康のためには油(脂質)を控えた方がいいというイメージを持っている人もいるかと思いますが、脂質(油)は三大栄養素の1つで、身体を動かすエネルギーとなる重要な栄養素なのです。

オメガ3系脂肪酸とオメガ6系脂肪酸は、人間の体内で作り出すことができない必須脂肪酸です。

日本人の摂取バランスとしては、オメガ3系脂肪酸が「1」に対してオメガ6系脂肪酸が「2~4」が理想ですが、食生活の欧米化が進んだことでオメガ6系脂肪酸の摂取量が劇的に増加しています。

とくに普段から外食が多い人や調理済のお惣菜、お弁当、冷凍食品などをよく食べる人は知らない間に摂り過ぎている可能性があります。

オメガ6系脂肪酸を過剰に摂取することで、体内の炎症が促進し、肥満、高血圧、心臓病、脳卒中、糖尿病などの生活習慣病のリスクを高めることが研究で示されています。

そのため「赤身肉を食べ過ぎない→魚を積極的に食べる」「サラダ油の使用を控え、オリーブオイルなココナッツオイルなどのオメガ9系脂肪酸を取り入れる」など、オメガ6系脂肪酸をできるだけ減らしていくことが大切です。

また、オメガ3系脂肪酸に含まれる「DHA」「EPA」には、脳の活性化や血流の促進、中性脂肪の低下といったさまざまな健康効果をもたらすことがわかっています。

いきなり「加工食品を一切食べない」「魚中心の生活に変える」といったことはハードルが高いですが、普段何気なく食べているものの成分に目を向けてみて、少しずつ食生活を変えていくことが大きな1歩につながります。

参考書籍

※今回の内容は複数の書籍やYouTubeの動画などを参考にして自分なりにまとめています。そのため、著者の考えと違う点があることはご了承ください。

また、できるだけわかりやすく伝えることを意識しているため、情報の不足等がある場合はご指摘いただけると幸いです。


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