いい夫婦の日に、見て欲しい動画。
衆院選で各党の公約で、夫婦別姓をはじめとする「ジェンダー」が注目されたことは記憶に新しい。妊娠・出産・子育てがしやすい社会環境の整備も、争点のひとつだった。だからこそ、本日11月22日の【いい夫婦の日】には、たくさんの企業が【国際女性デー】のように、自社ブランドの姿勢を示したり、世の中への問いかけをするんだろうな…と思っていた。
が、思ったより少なかった。笑
『結婚しなくても幸せになれるこの時代に、私は、あなたと結婚したいのです』という、ゼクシィの神コピーが象徴するように、結婚がすべてではない現代において、結婚や夫婦を”正”として扱うことの難しさもある気がします。
そんな中、紹介したいのが「佐賀県」の動画です。
結婚だけが幸せのかたちではない。
プレスリリースには以下のような制作背景が記載されている。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、結婚の良さを実感する機会(結婚式)が減少しており、さらなる婚姻件数と出生数の減少が見込まれています。そんな中、「結婚っていいな」「家族っていいな」と思ってもらうことで、結婚を後押しするキャンペーンを実施しようと考えておりました。しかし、結婚することが幸せのゴールではなく、結婚だけが幸せのかたちではありません。そのため、子育てし大県“さが”プロジェクトや「佐賀県パートナーシップ宣誓制度」をはじめ、佐賀県で暮らす幸せな家庭を増やすために、様々な取り組みを行う姿勢・行っていく未来への姿勢を表明する動画を制作しようと決めました。「佐賀に住んでいてよかった」「佐賀に住みたい」と思っていただけるような取り組みを、佐賀の次の世代のために、これからも進めていきます。
「結婚っていいな」「家族っていいな」と思ってもらうことが目的ではありながら、最後のコピーは『佐賀で暮らす、すべての人々の幸せを応援したい。』という宣言。いろんな夫婦のカタチを動画内では描きつつ、ひとりで楽しそうにレッドカーペットの上を歩いている人も映している。結婚だけが、幸せではないという前提に立ち、すべての人々を応援しようとする佐賀県のブランデッドムービーになっている。
ひとりでも、ひとりじゃ生きられない。
動画は、佐賀県庁の職員が様々な県民の方々の前にレッドカーペットを敷いていく表現で構成。しかし、後半のインサートでは、逆に佐賀県庁の職員が県民のみなさんに抱えられていたり、知事が県民のみなさまと一緒にレッドカーペットを敷いていたりするシーンがある。
前述したように、結婚が幸せというわけではない。ひとりで生きていくという選択も尊重されるべきであり、既婚者からの同調圧力はかけてはいけないと思っている。けども、ひとりで生きていくと決めた人も、ひとりでは生きてはいけないはずだ。家族やパートナー、友人、同僚など、心の支えになる人は必要なのではないでしょうか。それが、iimaさんが歌う歌詞にも表現されている。結婚式で「ここにいる人たちが、今の私たちを作ってきた」というスピーチをしたのを思い出しました…はじめて、曲を聴いて、うるうるした経験だったかもしれません。。
ひとりじゃ 生きられないように
なぜか 世界は できていて
ともに 歩んで くれるひと
手を 差し伸べて くれるひと
ああ これまで 出会ったひと みんな
今の 私を つくっている
多様性を尊重する佐賀県
佐賀県は8月に、LGBTQなど性的少数者のカップルを公認する「県パートナーシップ制度」をはじめている。九州では初の事例だ。本当にほんとに素晴らしい。
動画の中にも、同性カップルがさり気なく登場している。
なぜ結婚するのか?
と、先輩に言われたことがあります。正直、分からない。確かに結婚だけが幸せのかたちではない。結婚や家族が嫌な人だっている。ただ、結婚しなくても幸せになれるこの時代に、私は、結婚したかったんです。そして、奥さんがどう思っているかは知らないけれど、幸せな結婚ができたと思ってます。長男は「赤ちゃんのとき、パパのこと嫌いだったよ」と言ってきますが、2人の息子ができ、幸せに暮らしています。これからも、価値観を他人に押し付けないように、それぞれの“幸せの道”を歩んでいければと思います。おしまい。
と、ここまで、第三者目線で真顔で綴ってきたのですが、制作のど真ん中で携わらせていただいた動画です。すみません。プレゼンから、納品まで、最高の時間でした。移住が目的ではないけども、佐賀県は本当にいいところなので、通過せずに、佐賀にも立ち寄ってください。
もういい夫婦の日、終わっちゃいますね。笑(“いい夫婦の日”ではなく、“いいふうふの日”と言ってるプロモーションがあって、ちょっと反省しています。)
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