普段の生活をもはや筋トレ状態にするために とっかかりの簡単エクササイズ3選
激務をこなす同世代(アラフィフ)の知人が久しぶりにマシンピラティスのレッスンを受けたところ、自身の筋力の低下を感じて少し怖くなってしまったそうです。
定期的にキチンとしたレッスンを受け続けないと筋力はどんどん落ちるのではないか、受け続けたとしてもそのうちレッスンに向かう筋力、体力、気力もなくなってしまうのではないかと心配していました。
確かに私たちの年代はちょうど更年期にも差し掛かったところで、体調の変化、言い換えれば「老い」を様々な面からどうしても感じざるを得ません。
色々不安に思う年代ではありますが、それでも私の周りの先輩方を見ていると、そこまで怖がらなくても大丈夫、日々のちょっとした意識で元気な身体は保てると私は思うのですが…
知人にそう伝えましたが、やっぱり何かはやらないといけないのでは?と不安な様子。
そこで今日は、
何か運動をしないと心配
でも定期的にまとまった時間が取れない
そんな人でも簡単にできて、日常生活で意識したいことにつなげやすい3つのエクササイズ&ポーズをご紹介します。
おすすめエクササイズ&ポーズ
1 アームサークル
やり方
息を吸いながら腕をバンザイして、吐きながらその腕を横に広げる
効能
肩首まわりの血行を良くし、重心が落ちがちな身体を引き上げ、体幹部を鍛えます。
エクササイズのコツ
・腕の骨が肩にはまっているところ、肩関節のみを動かすイメージで行いましょう。
・指先が胴体から遠く離れていく意識をします。胴体から指先が離れていくと、結果肘が伸びます。肘を伸ばそうとするのではなく、結果として肘が伸びている状態をキープします。
・肩と耳が近づかないように、なるべく肩甲骨をその場に置いておきます。
・5回ぐらいを目安に朝晩、そして気付いた時にやってみましょう。
2 スクワット
やり方
壁に背中をつけます。
かかとは壁から20センチぐらい離しておきましょう。
肩甲骨、お尻を壁につけたまま(腰は壁から離れていてOK、後頭部も無理して壁につけないでOK)、背中をスライドさせるようにできるだけゆっくり膝を少し曲げたら、またゆっくり元の位置に戻ってます。
効能
下半身の血流を良くし、全身の筋肉をバランス良く鍛えます。座っている時間が長いと固まりがちなハムストリングをストレッチします。
エクササイズのコツ
・壁に背中をつけたまま行うことで、股関節、膝関節、足関節(足首)を同時に動かせます。
(スクワットはただ膝を曲げる動きではありません。上で挙げた3つの関節を同時に動かすことで効果が上がります)
・膝を曲げることで上体は下に行きますが、背骨は上に伸びていくようなイメージをしてみましょう。
・膝を曲げた状態から戻ってくる時は、膝を後ろ方向に押し込まないように、かかとからお尻が上方向に離れていくようなイメージをしてみましょう。
・膝を曲げる時に足の裏が広がり、足の指が伸びていくイメージをしてみましょう。
・これも、5回ぐらいを目安に朝晩、そして気付いた時にやってみましょう。
3 ランジ(の超簡易バージョン)
やり方
いわゆるアキレス腱を伸ばすポーズで5呼吸ほどキープします。
効能
上半身と下半身をつなぐ大腰筋のバランスを整え、縮みがちな脚の裏側を伸ばします。
ポーズのコツ
・腰の骨の前側から、後ろ脚の内側の付け根がじわじわと離れていく意識をしてみましょう。
・さらに、坐骨からかかとが離れていくように、脚の裏面がどんどん長くなる意識をしてみます。(結果として膝が伸びます。)
・膝を押し込まないように注意しましょう。
・反動をつける必要はありません。
・朝晩、そして気づいた時に左右それぞれ30秒づつ行いましょう。
以上3つとも、とても簡単なエクササイズではありますが、正しくできるか自信がない人は1度専門家に見てもらうことをおすすめします。
日常生活への応用
エクササイズやポーズは、やってはいおしまい、とその時だけで満足してしまうのではなく普段の生活に活かしていきましょう。
座っていてだんだんお腹が縮んできたなあと思ったらアームサークルです。バンザイすることで長くなった上半身をできるだけキープしましょう。
お腹を長く保つことはお腹の奥のインナーマッスルを鍛えることになります。
いわゆる筋トレのイメージとはだいぶ違うかもしれませんが、重力に負けないように座っているだけで立派な筋トレになるのです。
階段を登ったり降りたりする時は、スクワットの背中を思い出してみます。これもまた、上半身を縮めないことが体幹部のトレーニングになります。
また、股関節、膝関節、足首はしっかり動いているか確かめてみましょう。
これらの関節を動かすためにはたくさんの種類の小さい筋肉たちが同時に働いています。
歩く時はランジを思い出してみてください。脚は後ろに残りますか?大腰筋の始まり部分から脚が動くイメージでリズミカルに歩けば、この長いインナーマッスルが縮んだり伸びたりバランス鍛えられます。
大腰筋についてはこちらをどうぞ。
上半身と下半身をつなぐ大事な筋肉です。https://note.com/ymatsu2312/n/n19b61d2e20d3
このように、立ったり座ったり、普段のちょっとした動きは意識一つで立派な筋トレになるのです。
もちろん定期的に、例えば週に1度、1時間ぐらいヨガやピラティスなどのレッスンを受けることができれば、動きのクセなどをリセットし、より効果的に身体を動かす方法を学ぶことができるのでとてもよいでしょう。
しかし、様々な理由でその1時間を取ることが難しい時期もあります。
逆に、週に1度、1時間は、1週間168時間のうちの1時間に過ぎません。
たった1/168時間で身体が劇的に変わるわけでもなく、体力や筋力がつくわけではないのです。
なので、週1回レッスンに通っていたとしても、残りの167時間の過ごし方が大切になってきます。
なかなか運動する時間が取れない、という人も、ちょっとした隙間時間に簡単にエクササイズすることで、自分の身体に目を向け、自分の身体を意識してみてください。
これが習慣になってくると、わざわざエクササイズをしないでも身体に目を向けられ、意識することができるようになり、普段の生活がもはや筋トレ状態になってきます。
そうなってくればしめたもの。
動くことが億劫でなくなり、自然に活動量も増えます。
活動量が増えれば、筋力の低下を防げるばかりか体力の向上も望めます。
運動不足を過度に恐れることなく、健やかに歳を重ねたいですね。