未経験でBtoB広報立ち上げ!1年間で最も役立った9つの指針
こんにちは!EC、D2Cブランドのマーケティングプロデュースカンパニー、ライフェックスで広報をしている丸山です。
2021年3月にライフェックスにJoinして、広報を立ち上げました。私のこれまでのキャリアは法人営業、個人営業を経て新規事業のWebサービス事業と広報とは無縁のキャリアを歩んできました。
現代表のリファラル採用で、広報としてチャレンジしてみないかと打診を受けた時は、社会人経験10年以上も経って、未経験で広報チャレンジはさすがに無謀すぎやしないかと躊躇したものです(笑)
当時のライフェックスはベンチャーと言っても10年以上経過していて、これまで営業を一切しておらずすべて代表の人脈とリピートでお仕事をいただいている状態でした。
このままではいけないという課題感から、営業組織と広報を立ち上げ社長頼みの経営から脱却し、組織としてお客様を自ら見つけ社会への認知も広げていきたいフェーズなのだと話を聞いた時、単純にまだまだ未成熟の会社組織をよりよくしていくというミッションにワクワク感を覚えたのをいまでも記憶しています。
つまり、私は広報としてというよりこれまでの営業や企画提案、新規事業推進の経験値を生かして0→1で会社をよりよくしていきたいという想いから広報への道に足を踏み入れることになりました。
前置きが長くなりましたが、こうして始まった未経験での広報立ち上げ、しかもノウハウやスキル、経験はあるが会社としてサービス確立がされていないフェーズのBtoB広報として文字通り0→1での立ち上げが始まったのです。
そしてちょうど1年が経った今、取り組めたことはざっとこんな感じ。すべての項目が土台は一切なく、0から構築し運用しています。
すごい成果を残してきたかというとまだまだ課題は山積みで、道途中です。なのでBtoC商材で打ち出すものが明確で取材を量的に獲得したいフェーズの方にはお話しできることは少ないです。
ただ、昨年の私のようにサービスも確立しておらず本当に0→1で仕組みづくりからという方に参考になるのではと思っています。
というのも、広報立ち上げを求められるベンチャーはまだまだ整っていないことが多いので複合的に色々な役割を期待されます。私も推進していく中で迷うことが多かったのですが、広報立ち上げの1年間の中で何が指針となったのか、最も軸として据えた9つの考え方をお伝えできればと思います。
当時の自分のように、右も左もわからず、相談できる広報経験者もいない方にとって立ち上げをしていく際の少しでも参考になれば幸いです!
①一番初めにやるべきことは組織の目指すGoalを経営層とすり合わせること
広報を立ち上げてくださいと言われて1番初めにしたことは、代表と創業メンバーのCOOとじっくり広報に求めること、会社が目指したいことを話す時間を設けることでした。
もちろん、最初の1ヶ月で広報に関わる本は10冊以上読んだし「広報立ち上げ」でググって他社広報さんのリアルな経験談も読みました。初心者広報のセミナーは見つける度に参加もしました。
しかし、これらのインプットの中には自社が求める広報の在り方は当たり前ですが載っていません。広報の定義を学んでそれをその通り実践しても、それを会社が自分に求めているとは限らないのです。
・一緒に登るべき山はどんな山なのか?(高尾山?富士山?エベレスト?)
・目指すべきはどんな山なのか?(高い山なのか、森の多い山なのか、広くて登りやすい山なのか)
しっかりと目指す山(Goal)を見定めることがとても重要です。
少なくとも、ライフェックスはエベレストのトップを目指してはいません。それよりも、代表は社員が魅力ある人材として成長していく組織の在り方を目指していたし、クライアント様との関わりも売り上げをあげるコンサルという立場ではなく長く愛されるブランドにしていくためにパートナーとして伴走したいという気持ちがありました。
ここを間違えると一生懸命広報業務に取り組んでも社員は混乱します。
だからこそ、定期的に代表も含めた経営層と話をする機会は今でも確保するようにしています。
最初の頃は、代表インタビューも行い、創業の経緯や会社のヒストリー、代表の想いなど色々ヒアリングし、誰よりも組織のことを詳しくなれるような気概で望みました。
②広報の定義は自社オリジナルで良い
ライフェックスの場合は、取材を獲得し認知を獲得することよりも、サービスを整え新規でリードを獲得できる仕組み作りの方が急務で求められていることがわかりました。
最終的に1年の広報ミッションに据えたのがこちらの3つ。
おそらく顧客開拓ができるフローって営業やマーケティングの仕事では?と思われた方もいるかと思います。でも広報の定義は会社ごとに違くてもOK。自分が今の会社のフェーズで求められる広報像を確立していけば良いのではないでしょうか?
③インナーブランディングがめちゃくちゃ大事!広報のミッションやKPIはしつこいほど共有する。
そしてここで定めた広報ミッションは、広報ポータルを作成し掲載したり、毎週の全体共有に広報の時間をもらい、定期的にメンバーに共有しました。
何度も何度も伝え続けることで、広報が何を目指していて何に取り組んでいるのかを理解してもらうことが少しづつできてきます。
広報の立ち上げをする会社にとって、広報という存在自体が突如現れた存在です。社員インタビューや、取材、SNSでの発信、どれをとっても広報はメンバーの協力なしには推進できません。正しくゴールやミッションを把握してもらい一緒に推進していく味方になってもらう必要があります。
④広報戦略はPESO理論で考える
幸いなことに、立ち上げと同時に会社に宣伝会議の広報担当者養成講座を受講させてもらいました。広報の基礎や概念はこの講座から学びました。その講座の中でも特に影響を受けたのが、株式会社トライバルメディアハウスの代表池田 紀行さんの講座でした。
その際に教わったPESO理論を軸に、認知・評判・理解・共感のバランスを意識し、それらを叶える施策やKPIに落とし込んでいきました。
特に評判獲得メディアと共感獲得メディアは連鎖します。どちらか一方ではなく相乗効果が重要なので、施策が偏らないように意識しました。
PESO理論はこちらを参照↓
こちらのEvoked Set(想起集合)と第一想起のお話はもはやバイブル。ぜひ読んでみてほしいです。
⑤今の時代、「共感」は切っても切り離せない。
特に上記のお話に関連して、共感獲得メディアは非常に大切だと考えています。
BtoBというサービス形態にとって、競合もたくさんいる中で強みの一つとなるのはやはり自社の社員や会社そのものだと思います。それは、スキルや経験、ノウハウもそうですが、ライフェックスらしさは、採用でもサービスでも選んでもらうために必要な要素です。
池田さんのデジタル広報の講義を聞いて、苦手なSNSでの発信を4月からスタートすると腹を括ったのが懐かしい思い出です(笑)
ちなみにSNSは以下の基準で決めました。
SNS発信において『共感』という言葉は、常に意識しています。SNSで発信するときも、セミナーのLPを作成する時も、ビジネスライクに定型文を載せるよりも自らの言葉で拙くてもよいから考えて想いを載せることを意識しています。
また、不特定多数の人に向けてというよりある特定の1人の人を意識してメッセージを届けるように伝えるようにしています。
それも、態度変容は共感なくしてうまれないと学んだことが大きいのだと思います。
⑥広報と広告の違い。メディアの先にいる読者や視聴者や社会を意識する。
広報を立ち上げて、インプットを続けていると、必ず色々な場所で広報と広告の違いの話を見聞きすると思います。当初はおおまかに理解しているつもりだけどそんなに重要?と思っていました。
今は根幹だと言える気がします。常に意識すべきことでもありますが、社内メンバーが理解していないケースが多いので、組織全体で意識醸成していく必要がある大事な話だと思います。
広告は『主観』です。広告主が決定権を持つので赤字を入れたり意図したいように修正が可能です。一方で広報は『客観』。メディアが決定権を持ちます。
大事なのは、自社のサービスや露出のためにメディアがあるわけではなく、メディアの先に存在する読者や視聴者、ないしは社会が何を必要としているかという視点が求められます。
リリースのタイトルや、打ち出す企画、メディアアプローチ。全てにおいてこの視点で作っていく必要があります。
⑦なぜやるのか。なにを目指してやるのかはどんな施策でも必ず考え合意を得る。
広報を立ち上げるということは施策や仕組みを新たに導入するということです。その施策をはじめることが本当に正しいのか。他の選択肢はないのか。と迷うことがたくさん出てきます。
その際の軸は、前述の広報ミッションです。そして、検討する際は目的とGoalを必ず決めます。
この軸をブラさないことが、本当に大事です。なぜなら、BtoB広報の立ち上げ期は、サービスもしっかりなく、打ち出すネタもない状態。
たくさんの他社広報さんの取材獲得や華やかな実績を目にし、羨ましくなって目先の掲載に躍起になったり、取材獲得できないとメンタル崩壊したりしそうになることもあります。
でも軸がぶれなければ、本来の目的を見失うことは避けることができるはずです。
⑧会社のこと、サービスのこと、業界のことを誰よりも勉強し、端的に表現できるようにする。
私は業界未経験の広報なので、事業のことを現場感たっぷりで語ることは難しい状況でした。しかし、メディアアプローチする際や取材の時、リリースを書く時・・あらゆる場面で、会社やサービスのことを端的に表現することが求められます。
そのため、関連がありそうな社内会議に必要があれば顔を出し、時には議事録を取るようにしました。セミナーの企画の際には、LPの文言や時には登壇資料も作成します。ここまでが広報の範囲と決めず対応することで、事業やサービスの特徴を把握できるようになってきます。
よくエレベーターピッチといわれますが、数分という短い時間で会社や事業のことを表現できるようにしておくと、会社や事業を表現するフレーズがいつでも同じ表現で出てくるようになるのかなと思います。
⑨人との繋がりをたくさんつくる。人を大事にする。
広報職の一番好きなところは人と人とのリレーションづくりに関わられる点かもしれません。
Twitterを通して、広報の横のつながりがたくさんでき、何をやればよいのか、どんな取り組み方法があるのかは情報交換させてもらうことができています。
同じくTwitterからメディアさんと繋がらせていただいたり、お声がけをいただいたり、セミナーでコラボさせていただいたこともありました。
特にSNSでの発信では、ライフェックスを志望していただく面接希望の方によく「インスタやnoteみました」「ライフェックスの雰囲気が好きです」「一緒に働きたいと思いました」と嬉しい言葉をいただけることが多く、会社と新しい仲間を繋げる役目も担えていると感じます。
代表が役員をしている日本通販CRM協会主催のCRMTVという番組には毎月代表とファシリテーターとして登壇させていただき、業界内のさまざまな方と接点を持ったりお話を伺ったりする機会をいただいています。会社の業務外のお仕事ではありますが、そこから仕入れたトレンドや、課題感をきっかけに企画が進んだこともあります。
自分の仕事の範疇や自分にすぐ還元されるメリットだけで判断せず、興味関心を持って人との関係値を築いていくと自然といつか自分に還元されるものもあることは学びでした。
また、初めてある業界紙に掲載していただいたきっかけは、一方的に連絡をし続けお役に立ちそうな情報を共有していたらある時お電話した際に「いつも連絡できていなくてすみません!取材の日程今きめちゃいましょうか?」と言っていただけたことです。
小手先のテクニックではなく、繋がり続けていれば叶うこともあるのだとその時に再認識しました。
以上が私がこの1年で成功体験や失敗体験から学び、立ち上げ期に大事にすることをお勧めしたい9つの指針です。
少しでも私の学びが誰かに還元されますように。
長文お読みいただきありがとうございました!
以下もよろしければぜひご覧ください^^
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