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「暴言」の裏。

「喝」をきっかけに自分の人生を振り返り、気づいたことは多いが、個人的に「暴言」と言う名のトラウマとして認識されていたことは実は「弱み」を指摘されていた現れなんだと感じた。過去にもそういうことあったし、「暴言」きっかけでニュースで話題になったあの政治家も実はそうだったと感じる。

無能はいらない

ラジオのサークルを代替わりし、「代表」に就任した僕。しかし、何をやって良いか分からず怯えて、アドバイスも屁理屈言って周りを困らせていた。そんな中で後輩に呼び出されて、何もやれてないことなどを叱責したり、後輩による提案がなされた。僕はうなだれて聞いていた。それから、僕が傷ついて「辞めたい」と言い放ったら

そんな無能な人いらないっすよ

と匙を投げるように、吐き捨てた。

それを聞いてボロボロに泣き、いろいろあった後、辞めることになった。

本質は一緒。

それからは「暴言」として悪い記憶を伝えてきたが、こないだの「喝」を聞いてみると、実はこの本質は同じ。さらに後輩とバイトリーダーはいずれも「歯に衣着せぬ」物言いがかなり目立っているのも共通していて、後輩は「演劇サークル」でバイトリーダーはそれに値する高評価と信頼を得ていた。そう思うと後輩ながら、僕の無力感をよく見て怒りを感じてあの言葉を言い放ったのだってのが分かる。過去に後輩の演技や声色を見ているとうまい人なんだってのも分かっちゃいた。だから、ああ言っていた僕の方が「バカだった」と反省することになる。その後言った「大丈夫ですか?」と気にかける発言も覚えていて、良くしようとしてた現れなんだと思い、期待に応えられなかったことは悔やまれる。そう言えば、辞めるのを報告した際にある先輩が、「そりゃ傷つくよなぁ」とフォローした上で

意思は尊重します。でも、僕は納得いかない。

と言った。この後半の言葉は後輩の荒い言葉の本質は見抜いていたようだ。あの後、後輩女子には叱られたことを隠しながら言ったが、惜しんでいたのもこういうことなんだ。彼女も期待していたのに…

あの市長

「暴言」と言えば兵庫県明石市の泉房穂市長も実はそんなところ。

もう議員辞めてまえ!!
お前、賛成するなら許さんからな

などがあり、いずれも賛否あった。特に明石駅前の「『国道2号』車道拡幅工事」に伴う用地買収が進まないことに業を煮やして、担当していた市職員に対する

火ぃつけて、捕まってこい!
燃やしてまえ!損害賠償負え!

という一連の叱責。メディアにこの音源が渡ったことで全国ネットで報道。批判殺到で謝罪会見し、一旦辞職した。しかし、数日後これらの言葉には続きがあることが報道されて

後回しにしてどないすんねん。
一番しんどい仕事からせえよ。
市民の安全のためやないか。

と諭した。職員の弱みと失敗をズバリ言ったり、人のために願うこれらの言葉たち。「子育て政策」を筆頭に評価された過去の実績とも相まってイメージ激変。泉市長の後援団体が署名を集めて、泉市長に手渡し「有権者の判断を仰ぎたい」と出直し選挙の出馬を決意。結果、当選し、「万歳」を謹んだ上、再び「市民のために」邁進している。

前述でも、良いと思うことを頑なに拒否する市議会反対派の姿勢の批判や「市民まつりをやろう」と発言したことに腹が立ったという背景を聞いた。この「市民まつり」というのは2001年の「明石歩道橋事故」という群衆事故の元凶と言えるイベントを指す。でも、「梨泰院の惨劇」があった今ならそんなこと言えないだろうけど。

余談はさておき、言葉選びや喧嘩っ早さに問題ある泉市長だが、怖けずに「明石を良くしたい」という強い思いからくると感じられるし、良くも悪くも感情で訴えるタイプだと思う。テレビで言葉を聴いていると自分の弱さ、失敗を認めた上で良いと思うことを包み隠さず言ってるのはグッとくるものがある。そのときの喜怒哀楽は顔によく滲んでいる。

さらなる「暴言」で任期いっぱいで辞めると言った泉市長だが、次なる目標として地域政党を立ち上げるという。「一貫性がない」と批判する声もあるし、突然のことで戸惑いもある。でも、それとこれとは違うと思う。泉市長の成果や仕事ぶりを見たりについて行きたい人と思い育てられたい人も多いはず。自分の至らなさをカバーし、任期中にできそうにないことを託したいという野心があると僕は考える。たとえ思いつきであっても、そういう行動力の高さの表れで尊敬できるし、「任期いっぱい」といういい区切りで退くというのは、中途半端に終わらせたくない気持ちの現れなのかも。

言えば簡単、でも考えないと…

「トラウマ」「パワハラ」「暴言」「怖い人」など言うだけなら簡単だが、考えると実はこんな背景があるんだというのが見えてくる。「良くしたい」「許しちゃおけん」などの感情を「歯に衣着せぬ」形で言い放っているのだ。もちろん、過ぎる激しい言動は信用は失うことにはなるが、これを聞いて何も思わない、響かない人というのも「クズ」「無能」「お人よし」などと陰で言われ信用を失う。むしろそっちの方が泉市長のように復活するなんて絶望的だし、救世主が現れることもないし、捨てられる、匙を投げられる。そういうもんだ。

こうやって振り返るとそういう僕は「悔しい」と初めて思うし、謝罪したい。しかし今は今、過去は過去。そんなことに気付かせてくれたバイトリーダーに感謝と謝罪を込めて仕事に向き合い、変わる姿を見せることが今できること。生き急いだり、強張ったりせずに丁寧にやっていきたい。それと、どんな言葉の悪い人でも考えたり、変えられるような刺激があれば学びとして吸収できるもの。「中身が大事」なのが改めて分かる。

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Yuki(ゆうき)
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