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女はただ臆病者からの脱却を試みた

《女は武器が欲しかった、だから自分を武器にすることを思いついた》

 ボクシング(1か月)→合気道(3年)→詠春拳(11年目現在続行中)。私が武術に触れてきた遍歴です。

 ボクシングは父がやっていました。なので小さい頃から父の手をサンドバック替わりに練習をしました。きっと単身赴任で口下手だった父なりのスキンシップだったんだと思います。父は真面目な人だったから単身赴任でたまにしかいませんでしたが、練習する時はそれなりに厳しくフォームを直されたりしました。

 そのせいなのかはわからないですが、会社の先輩に連れられて行ったスポーツジムのボクササイズで、インストラクターをしていたボクサーの男性にエクササイズの後「君は筋がいいね。もしボクシングに興味があったら僕のジムに来てみませんか」と声をかけられたのがきっかけで、ボクシングジムに行く事にしました。

 結論としては、その一か月後私は会社の辞令で中国広州に赴任が決まり、ボクシングはやっとシャドーとサンドバックを始めたばかりで終了となりました。

 でも躊躇なくボクシングを始めようと思ったのは訳がありました。

 私はボクササイズに行く少し前のタイミングで、男性に襲われかけた事がありました。

その時に、上から両手で首を絞められながら何とかしようと何か武器になるものがないか考えました。

仮に自分がスキを見計らって何かの武器を手にできたとして、相手を殺さず、でも身動きはできないくらいの程よい程度に攻撃できるのか、そしてもし力負けした時、逆にその武器を取り上げられて致命的な攻撃を受ける可能性もあると考えた時に、私のような小心者が武器を手に取る事は必ずしも得策ではない、と思いました。

必死に分析したというよりも、怖くてそこまでの事をする度胸がなく、言い訳を探していたのかもしれません。

 どうやってその場を切り抜けたか、またその事があって「ベストオブ武器」を色々考えた後日談も今日は割愛しますが、とにかく色々な思索の末辿り着いた結論が、自分の身を自分で守れる程のスキルを身につけよう、という事だったのです。

《習う武術の質を考える》 

 ボクシングが海外赴任命令で中途半端になり、私は治安の悪い広州のド田舎で当時一番の安全管理を誇るゴルフ場と工場の往復で、閉ざされた二年間を過ごした後、香港に出てきました。(そこらへんは前↓↓に書かせていただきました。)

 香港に出て来て、会社の車の送迎でなく自分で自由にあちこち出歩けるようになった私は、すぐ習い事をしようと思いました。

最初はボクシングやムエタイ系も考えましたが、香港で知り合った友人の彼氏が合気道をしていると聞き、友人に頼んでその彼氏の方にお話を伺う事になりました。

 自分でもずっと考えていました。

 日本でボクシングを習った期間一か月という短い間、ジムではロードワークと筋トレと掃除の毎日でした。

私は体力には自信がありましたが、やはり最初はスタミナをつけろという事に他なりませんでした。ボクシングを習いに来ているのにグローブを付ける事さえ許されない。そんな状況の中で考えました。

この基礎練だけを数か月やり続けても身を守れるようにはなりません。

でも、たとえ苦しい練習を頑張り抜いて将来ボクシングでそれなりの実力をつけたとして、相手が一人じゃなかったらどうする?!と思いました。

相手が素人の一人なら、もしかしたら何とか撃退できるかもしれません。

でも、例えば相手が3人くらいだったら結局は敵わない、それどころか相手が一人でも、相手も何か武術のたしなみがあったら、やっぱり男女差で負けてしまうかもしれない・・・

私はプロを目指しているわけでもなく、何か試合とかで成果をあげたいわけでもなく、自分の身を守る為あわよくば自分の大切な何かを守る為に武術を身につけたいだけなのだから。

そう思うと、力や速さを求める格闘技は、私が求めているものじゃないような気がしました。

そこへ来て、今目の前に「合気道」というご縁が出て来て、これは「力の弱い者が、どうやって力の強い者から身を守るかという護身術」と熱弁をふるう彼氏さんの話を伺いながら「これだ!」と思いました。

こうして、これから自分が身につける努力をする武術の方向性が定まったような気がしたのでした。

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今回は、私が武道に辿り着くまでのきっかけのお話でした。

「プロフィールに書く」という事は、そこに関する事を発信しようと思っているからなのですが、開始一か月、やっと格闘技についての記事のアウトプットをスタートさせることができました。このシリーズもゆるゆるっと続いていきます。女性で何か武術を身に着けたいと考えている人の参考になりますと幸いです。


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ハザカイユウ
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