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「つぎとまります」:高齢化社会を次に支えるバスシステム。運転手もどこも人手不足。。

<あらすじ>
日本一のバス運転士になるという子どもの頃からの夢を叶えるため、京都・亀岡のバス会社に就職した保津川美南(秋田汐梨)。個性豊かな同僚や乗客たちに囲まれながら、失敗を繰り返す日々。そんな美南の心の支えは、バス運転士を目指すきっかけとなった憧れの“運転士さん”だった。ピンチの時に現れる彼を頼りに成長してゆく美南だったが、ある日、そんな社員は存在しないことを知る。美南が困惑するなか、未曾有の大雨が西日本を襲う……。

KINENOTEより

評価:★★☆
(五段階評価:★が星1つ、☆が星半分、★★★★★が最高、☆が最低)

皆さんはどれだけバスというものを使っているでしょうか? 現在(2024年)京都に住んでいる僕は自家用車は持っていなく(数年前に、故障で車検が通らなくなったので)、基本は自宅最寄りすぐにある京阪の駅から、電車やバスでの生活が中心になっています。思えば、小さい頃は実家の近くにバス停(小学校に上がってすぐくらいに廃線)があり、開発が進んだ今とは違って、狭い道を縦横無尽に走っていて淡い記憶(それに乗って、街の映画館にドラえもんとか観に行った)が残っています。これも田舎あるあるだと思いますが、免許が取れる年齢になると、田舎の足として車は必須なので、自動車教習所に通って免許を取りましたが、大学で実家を離れることになっても(大学も田舎だったので笑)車生活のまま。社会人で大阪に引っ越したときに、車を手放して、電車・バスの生活が始まった感じですかね。だから、僕の本格的な(路線)バス生活は社会人からで、田舎に転勤になった短い期間以外はバスは生活の中で今でも切っても切れない生活手段であります。

でも、そんなバスも高齢化社会でニーズが高まるのとは反比例で、どんどん路線を減らしている現象が起きています。一番は運転手不足。将来的には一部地域で現在試験実施されている、自動運転バスに切り替わってくるのでしょうが、京都でも渋滞を避けるように設計されているバス路線上では、極狭な道を運行していることが多く、主要駅周辺の大通りを循環する路線以外は自動運転化も難しいのではないかと思います。かといって免許制度上、介護や製造業のように安易に外国人人材に置き換わるものでもない。大型免許を持っているということで、これも人手不足な物流業界との人の取り合いになってきてもいて、大阪・京都のような都市部でもどんどん減便・廃線が続くのは避けて通れないのかなとも思ってしまいます。

そんな人には本作を観て、バス運転手を是非目指してほしいな(笑)と思います。いわゆるバス運転手を夢見て、研修から挑んでいく一人の女性を追うお仕事ムービーで、僕も現在進行形でよく使っている京阪バス(もうちょっと詳しく言うと、京阪バスの中でも京阪京都グループ)の全面協力をもって作られています。正直、映画作品として特筆するものは特にない(汗)のですが、かといって酷評するような素材もない盤石の楽しい作品になっています。作品の特徴としては、やはりバス会社の全面協力があるということで使われるバス車両はもちろんのこと、運転手になるまでの研修メニューや、実際のバス運転手の業務で使われる様々な機械についても登場するなど、安易なトレンディドラマには登場しないような知られざるバス運営ネタが様々に盛り込まれています。お話もちょっと京都らしい小ネタも仕込まれていますので、上映機会がある方(興行がすごく小さいのであまり機会がないかもですが)は是非とも。

<鑑賞劇場>京都シネマにて


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