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大人って案外悪くないよ ー「クレヨンしんちゃん」を観てー


僕は今日、人生で初めての経験をしました。

ある映画を観たのです。

もともと映画もドラマも、日本国内外問わずたくさん観てきましたし、「趣味はなんですか?」と聞かれたらとりあえず「映画鑑賞」と答えます。

ただ、アニメというジャンルには疎く(漫画は好き)、これまで欲求としてあまり観たいとも思ってきませんでした。

ただ自粛期間に毎日映画やドラマを観ていたら疲れてしまい、急なアニメへの欲求が始まったのです。

とは言え急ですから、そんなにハードルの高いものや玄人向けのものは観れません。大好きな漫画のセカンドシーズンや、子供の頃ハマっていたアニメのリメイク版を観ていました。

そしてついに僕は今日手を出しました。



クレヨンしんちゃんに。



まさかでしたね。そこに手を出すか、と。

だって僕は幼少期にほとんど観てこなかったんですから。親が「大人になったらね」と言って見せてくれませんでした。(下品だと思っていたんだろうな)

そんな僕でも ”しんちゃん” の存在を知っていた理由。

それはいとこのお兄ちゃんです。

親戚が一同に会する時と金曜日が重なると毎回、「今日は観ていい?」と母親に聞いていました。

すると母親が「今日は○○にぃにがいるからね」と許してくれるんです。

「クレヨンしんちゃん」は大人だけが観ることができるもので、普段はだめと言われているすっごく悪い子な行動なんです。(実際は悪いことでもなんでもありません)

だからいとこのお兄ちゃんと観る「クレヨンしんちゃん」は、当時の僕にとって オフィシャルいたずら なわけです。

ただいくら少なかったとは言え、そうやって目にしてきたわけですから、「クレヨンしんちゃん」を観ること自体が人生で初めての経験ではありません。



僕は今日、人生で初めて、クレヨンしんちゃんの映画を観ました。



本当にくだらない事ですみません。でも僕にとってはすごく大きいことでして......

ちなみに観たのは『映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲』です。

せっかくの初めて、いいものを観たいと思い調べていたら、いろんなサイトで高評価だったので。



あらすじ

ある日、春日部で突然「20世紀博」というテーマパークが開催された。昔のテレビ番組や映画、暮らしなどを再現し、懐かしい世界にひたれる遊園地に大人たちは大喜び。でも、しんのすけをはじめとする子供たちには、ちっとも面白くない。毎日のように夢中になって遊びに行く大人たち…。そのうちにひろしは会社に行かなくなり、みさえは家事をやめ、しんのすけがひまわりの面倒をみる始末。実はこれは、“ケンちゃんチャコちゃん”をリーダーとするグループの、大人だけの楽しい世界を作って時間を止めてしまう、恐るべき“オトナ”帝国化計画だった!

ー prime video


映画が始まりますよね。僕の高揚感がすごいんですよ。

いとこのお兄ちゃんと金曜日の夜に、にひにひしながら観ていたあの感覚が瞬時に蘇りました。

♪ ダメダメ大人は何でもダメダメ〜

当時はメロディを聴いていただけの主題歌の歌詞が沁みて笑えてきました。

僕はこの映画を観て、声を出して笑い、最後には泣きました。

大人になって観てよかったと思えるくらい深いテーマ。

昔に戻りたいケンちゃんとチャコちゃん
昔を懐かしむけど家族との未来を信じようとするひろし
大人になりたいしんちゃん

どの目線で観てもいい。

「昔はよかったな」ってよく聞くし、そうやって懐かしむことは悪いことじゃない。

「振り返らずに今を生きろ」って言う人もいるし、そうやって前向きなのは悪いことじゃない。

つまり、この映画、敵がいない!(一応ケンちゃんチャコちゃんは敵です)


そして何よりも ひろしの回想シーン。あれは何?あんなに泣けるものなの?

長尺で振り返ってるから普通ならどっかで冷めてもいいのに、しっかりもらい泣きしてしまった。

泣いてるひろしはきっといろんなことを思ってるんだろうな、って。

年齢も環境も違うのに、働いていると言う共通点だけで、しんちゃんよりひろしに感情移入してしまって......



未来はきっと明るいんだ、と信じたくなる映画でした。



しんちゃんを見せてくれない親にぶすくれていたあの時の僕よ。

大人になってから観るしんちゃんは格別だったぞ。

だから、大人って案外悪くないよ。


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