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アメリカで暮らす中で考える「相手を知る」ことの重要性

※今回は「相手を知る」ことについて、海外要素を絡めながら書いていきます。モンテソッリー式のトイトレの続編はまた次回!※


アメリカに住むとたくさんの移民がいることに気づきます

なぜ移民が多いのか。
そもそもアメリカってどのような国か、過去の歴史から考えてみました。

元々、アメリカにはNative American(アメリカの先住民族、インディアンとも呼ばれる)が住んでいました。クリストファー・コロンブスが新大陸(アメリカ大陸)を発見してから、スペインの植民地化が進み、ヨーロッパから更に入植者が到来すると、先住民たちは移動を余儀なくされ、代々先祖から受け継いできた土地を手放すことになります。

ヨーロッパからの入植者は船で、今でいう北アメリカの東部に到着し、そこで政治的な活動を始め集会などを開き、アメリカ合衆国が建国されました。今50州あるアメリカは、この頃13州しかありませんでした。その後、「未開拓の地」である西へと開拓することを「Manifest Destiny」というカッコ良くも聞こえるスローガンを掲げて、更にインディアンたちの土地を奪っていきました。大量虐殺で人口が大幅に減るほど、たくさんの人が命を落としました。とても悲惨な可哀想な歴史ですが、この歴史が今の移民大国アメリカを作ったわけです。

[豆知識1] フィラデルフィアには、1776年にトーマス・ジェファーソン起草の独立宣言が採択された独立記念館があります。現在の首都、ワシントンDCの国会議事堂と比べるとやはり小さいのですが、1790年から1800年まではフィラデルフィアが首都だったので、その頃の歴史を感じることができます!私もNY駐在中にフィラデルフィアに行き、ツアーに参加したのですが、とても面白かったです。

[豆知識2] 現在のネイティブアメリカンはインディアン居留地に住んでいます。いわゆる今でいうアメリカ人とは別の暮らしをしていて、独自の自治体や学校などの組織があります。その多くは西側に点在しているため、グランドキャニオンなど西部の国立公園をロードトリップ観光する際、道路から眺めることができます。私は20年前にインディアン居住地に家族と立ち寄り、そこで石のアクセサリー(手作り)を販売しているのを見たことを覚えています。電力はあるのか?など疑問が湧くぐらい、とても貧しそうな生活をしていいました。初めて車からインディアンの住居(三角形のプレハブテントみたいなものです)を見たときには、「私は今90年代に住んでいるのだよね?同じ時代に生きているのに、こんなにも違う生活をしている人たちがいるのか…」と不思議な感覚に陥りました。

余談ですが、私はアメリカ史をアメリカの現地校で習いました。インディアンの歴史については結構じっくりと学ばせられます。インディアンの異なる部族や、彼らが直面した悲しい出来事の詳細、彼らの感情について想像するワークもありました。当時、自分のような移民を受け入れてくれる自由なアメリカを体感していた私は、インディアンの犠牲の上でできあがった現在のアメリカとの差に、何だか矛盾した感情を抱きました。

初対面で必ず聞かれる「あなたは何をしているの?」

さて、話を戻して「移民が多いアメリカに住むこと」とは、「異なる価値観や文化を持つ人と生活すること」です。そのためには、「相手を知る」ことが重要だと思っています。

もちろん、アメリカに来ても日本人だけと付き合う生活を送ることもできますが、私自身は多種多様な人に囲まれた生活をしており、周りを見渡せば、「どこから来たんだ?」「アメリカ人なのか?移民なのか?ご両親が移民なのか?」「アジア人に見えるけど、アメリカ人だったの?英語うまいじゃん!」という感じの生活を送っています。

「みんな違うのが当たり前」だからこそ、相手のバックグラウンドは気にしなくなってくるのですが、特に夫の通う大学で会う初対面の人から必ずと言ってよいほど聞かれる質問が「あなたは何をしているの?」です。

「相手を知る」こと、を皆さん実践しています。

「○○さんの奥さん」ではなく、「独立した個人」として見てくれる(考えれば当たり前の話ではあります)のは、私のように自立心が強い女性(笑)にとっては、とても居心地が良い場所です。

ただ、「あなたは何をしているの?」は結構、難しい質問ですよね。
日本で初対面の人に聞かれることは、あまりない気がします。

正しい答えはあるのでしょうか?

ない、と思います。

ないけれど、理想的な回答は「自分はこういう人でこういうことをしてきて、これからこういうことをしたい。」
簡単に言えば、「自分はこういう人間なんだ。」と答えられることでしょうか。

日本人独特の謙虚さや空気を読む文化が原因なのか、「濁した」回答をすると、こちらでは微妙な顔をされてしまいます。
相手は「あなたを知りたい」のです。

※もちろん知られたくない場合は「答えたくない」と正直に言うのもありです!ただし、「黙り込んで喋らない」はアメリカで生活することを考えると避けたほうが良いと思います。

エレベーターピッチをご存知でしょうか?

主にビジネスで使われる用語ですが、何かを売り込む時に、エレベーターに乗っているくらいの短い時間で、自己紹介や商品提案を相手にする手法です。社長などの経営者や重鎮は忙しく、そういった方と偶然エレベーターで出会い、その機会に自分をアピールすることを想像してみてください。

時間は15秒~30秒と言われていますが、実際に、アメリカ人との自己紹介や会話はサクサクと進みます。
質問された後に「う。あ。」と言葉に詰まっていると、「はい、次!」みたいな感じで、他の質問に移されてしまうことがあります。
私は会話を繋げたいタイプなので、準備をしていなかった時に「あぁ悔しい、十分に話せなかった、伝わらなかった。」という経験を何度もしてきました。

そのため、初対面での自己紹介はアピールポイントを考えながら、用意しておくのがお勧めです。短時間でインパクトのあるプレゼンをするような気持ちを持つことも大事ですし、自分の経歴だけでなく、例えば、得意な趣味や好きなスポーツ等、アイスブレイクになりそうなテーマを事前に考えておくのも効果的です。

日本人は謙虚かつ空気を読むので、探り合いながら情報を小出しにしていくことが多いかもしれません。私が日本に帰った時にそうでした。今ではあの頃なぜアピールしなかったのか、勿体なかった、と思うこともあります。

アメリカでは、自分の強みやアピールポイントは最初からどんどん出していきます。嘘はいけませんが、「大袈裟であればあるほど、相手には刺さる」、相手は経営者で短時間でインパクトのあるプレゼンをするくらいの意気込みで話すのがお勧めです。悪い気分になる人はほとんどいないと思います。

以前ブログで海外でのコミュニケーションについて書きましたが、上記ポイントは個人的な経験から非常に重要です。

「相手を知る」ことは「自分を知る」こと

最後になりますが、「相手を知る」質問に答えるためには「自分を知る」ことが必要です。自分を表現するためには場数を踏むことは大事ですが、その前にまずは「自分を知る」ことが大事です。

自分のことってわかっているようで、実はわかっていないことも多いと思います。今後はnoteのどこかで「自分を知る」ために、私が行っていることをシェアしたいと思います。(現在進行中)

そして、その次のステップとしては自分が「相手を知る」ことを実践することです。「あなたは何をしているの?」と自分から質問できるようになると、相手とのコミュニケーションはどんどん広がります。
そうすれば、自分の世界も広がり楽しいはずです!

★過去の参考記事

  • 色々な方とお話をするのが好きな私にとって、ニューヨークは本当に楽しい場所でした。現在私が住んでいる地方の町では考えられないほど、人との遭遇率が高く、エレベーターピッチを試す場面がたくさんありました:

  • 自己紹介:


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yayko@アメリカ🇺🇸【海外/子育て/帰国子女】
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