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お金の正体とは何か?映画「億男」とサピエンスからの考察

「え!?こんなもの誰が買うの??」

フリマアプリを見てて、こう思った事はないでしょうか。例えば古新聞、トイレットペーパーの芯など、「それゴミじゃないの?」と思うものも売ってます。でも、人によっては価値になる。「子供の図画工作の授業で大量の紙と丸い筒が必要。でも今ない…」となると、メルカリで古新聞とトイレットペーパーの芯をポチったりするわけです。急いでいるとなおさら、値段が高くてもゴミ同然のものを買ってしまう。

人によってモノの価値は違う。それは実はお金であっても。そう考えさせられる書籍と映画に最近出会いました。お金やモノの価値について考えてみます。

お金とは「虚構」である

お金とは何かを考えるために、人間のルーツを遡ってみます。人類の壮大なルーツを紐解いたベストセラー「サピエンス全史」。この書籍には人間が発展する上で大きなターニングポイントになったのは「虚構を信じる力を手に入れたこと」を挙げています。

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人類の祖先であるサピエンス。その昔「認知革命」という大インパクトが起こります。サピエンスは突然変異によって脳神経が変化。これにより物事を豊かに認知できるようになりました。さらにサピエンスは意思疎通のための言語が使えるようになりました。そこでサピエンスが行ったのが「噂話」です。

「なんだそんなことか」と思うかもしれませんが、この噂話は不確かな情報を信じるという事。「ありえないことを信じられる力」と言い換えることもできます。「虚構」を信じる能力は、同じ時代を生きていたネアンデルタール人にはなかった特徴です。

「虚構」を信じることができれば、大勢で同じ物事を信頼することができます。神のような存在を信じ、ファンタジーを力に変える事ができます。それにより大人数で協力し、意思を結束する事ができたのです。これによりサピエンスはネアンデルタール人を倒し、繁栄することになります。

この「虚構を信じる力」の上に成り立っているのが「お金」です。

1万円は日本では1万円の価値があります。しかし、ジャングルの山奥の原住民族に見せても、ただの紙屑にしか見えません。互いが「価値があると信じる」という前提で資本主義経済はなりなっています。

お金は虚構であり、絶対的なものではないという事を理解しておくことが大切です。

映画「億男」が問う、お金の正体とは

お金とは何なのか、というテーマをエンターテイメントにした映画が「億男」です。

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3000万円の借金を残して失踪した兄の代わりに返済に終われる一男は、妻子にも見放されていた。そんなある日、一男は宝くじで3億円に当選する。
歓喜するも大金を手にした人たちが悲惨な人生を送っていることを知り、不安になった一男は大学時代の親友で億万長者となっていた九十九に相談する。
彼の言う通りにまずはお金を使ってみることにした一男は、パーティを開いて酔いつぶれてしまう。翌朝目がさめると、3億円と一緒に九十九の姿も無くなっていたのだった…。

この映画にはお金の価値観が異なる様々なキャラクターが出てきます。

◯一男:お金さえあれば、家族を取り戻せて、全てが上手くいくと信じている。

◯九十九:スタートアップで大企業をバイアウトした友人。お金は良くも悪くも人を変えてしまう。お金以上に大切なことがあると信じている。

◯百瀬:お金なんて実体のない幻想であると思っている。

◯千住:お金は宗教。地球に生ける全ての人々が入信する神のような存在。

◯十和子:お金は持っていることに意味がある。家に大金を隠して質素に暮らす。

◯あきら:お金は男を測るためのステータスでしかないと思っている。

これら6人のキャラクターが多様なお金に対する価値観を提示してきます。大金を突如失った主人公は個性豊かな価値観の人間と出会い翻弄されながら「お金とはいったい何なのか?」という問いの答えを探します。

この映画を観ると、お金というものは人によって価値が違う。そして、お金以上に大切なことがあるという事を改めて考えさせられます。それは夢や友人や家族など。

そう考えると自分自身でモノやお金の価値を考え続ける事が大切だと思います。お金があるから幸せなのではなく、自分が幸せになるために、そして誰かを幸せにするために「お金を使える」人間になる。これこそがお金に向き合う姿勢なのではないかと思います。

この映画、エンターテインメントとしての評価は抜群に高いわけではありません。しかし、見方を変えれば、我々が生きていく上で大切な視座を与えてくれる作品だと思います。

まとめ


人間のルーツから、どのようにしてお金が生まれたのかを知るとお金は「虚構である」と理解できます。

そして映画「億男」を観れば、お金の価値は人によって違う。生かすも殺すも使う人次第だということがわかります。そして何より、お金より大切な事があるということも。

誰もが皆お金を求め、国は老後にお金の不安を煽ります。しかし、お金が人生のゴールではなく、「幸せになること」を最優先に目指したいものです。そのために、お金をうまく使うという事です。

幸せとは何か?自分にとって大切なものは何なのか?そんな事を考えさせられる書籍と映画でした。

少し立ち止まり、お金の正体について考えてみると、人生で大切なモノに気づくかもしれません。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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やわらかメガネりょう
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