本の棚 #18 『ぶれない人』
『ぶれない人』
小宮一慶
ビジネスマンであれば
小宮さんの書籍を見たことがない
そんな人は少ないのではないか。
本屋さんのビジネス書コーナーで
「小宮さんの本を目にしたらアウト」
というゲームをしたら
秒でアウトになる。
それくらい多くの本がある。
なぜこんなに人気があるのか。
それは「わかりやすさ」を
極めている点にあると、私は思う。
小難しいことを
とてもシンプルにときほどいて
読者に届けてくれる。
新入社員でも
中堅サラリーマンでも
独立して年を重ねても...
たぶんいくつになっても
寄り添ってくれる
そんな本だ。
欲は、エンジン。理性は、ハンドルとブレーキ
小宮さんの人生の師のことば。
欲について
私利私欲で豊かになれるのは
ある程度のところでストップするそうだ。
というよりも私利私欲が強いと
理性のハンドルがぶっ壊れて
ブレーキと間違って
アクセル全開で事故を起こすんだ。
免許返還、これ大事。
私利私欲ではなく
お客様や社会のために
「いい仕事をする」
これが目的になると
人生がさらに豊かなものへと
昇華する。
算盤だけを追い求めても、算盤はついてこない。論語を追い求めて、初めて算盤がついてくる。
結果、成果だけでの評価は
定量的でわかりやすい。
けどそれは中長期的な成長に
つながるだろうか。
短期での視点が強くなりすぎると
人は道を踏み間違えることもある。
成果主義を否定するつもりはない。
そこにビジョンや理念という
考え方の土台があるのならば。
立派なお城もビルも
土台、基礎がちゃんとしていないと
高くなればなるほどド派手に崩れる。
厚みのあるじゅうたんのうえで
ジェンガをするなんて...
「派手に崩れてください」と
懇願しているようなものだ。
願わくば自分の順番が回ってこないことを
祈るばかり。
しかし人生に順番はない。
つねに自分がスタートなのだ。
正しい基礎をコツコツ探求できる
それが豊かな人生の始まりかもしれない。
会社が真の意味で評価されるのは、良いときよりも、むしろ、問題が起きたときではないかと思っています。
会社と人に置き換えても
一緒ではないだろうか。
調子が悪いとき
問題が起きたとき
その人の本性、本音が見える。
私は部下の調子がいいときより
悪いときの仕事に向き合う姿勢が
その人の「現在地」だと考えている。
問題、課題、逆境に対して
どんな表情、考え方、行動をもって
立ち向かっているのか
はたまた背を向けているのか
そこには嘘がないと思う。
衣食足りたあと、もう一段、志という高みにむかってステップアップできるか、それとも、そこで止まってしまうか。
まだまだ30代前半の若造に
このことばが妙にみした。
有難いことに
ご飯は食べられるようになり
服も買うことできる
住環境は仕事柄、割と充実している。
「ここからだよなぁ」と28歳くらいから
考えて考えて...
ときには「おがじい」に相談したこともあった。※今は亡き70歳を越えた大先輩社員(元某大手企業のお偉いさん)
おがじいは「そういうときもある」と
特に焦らせることもなく、諭すこともなかった。
要は「自分で見つけろ」ってことか。
ありがとう、おがじい。
志に向かって、次の一歩を踏み出すよ。