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世界終わろう委員会

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僕は知らなかった。なんでもないはずの日常にいつか終わりが来ることを。 初瀬四季が送る青春恋愛ボーイミーツガール。  たとえ世界が終わっても、あなたと。  未…
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2019年12月の記事一覧

第68話 幽霊になる条件

「幽霊になる条件って何かあるのかしらね。」  二人でのトランプに飽きてきた頃、尾張さん…

第69話 クソゲー

 気がつくと俺は黒い男の後ろを歩いていた。   「なぁ、なんかまた増えたんだけど。」 「…

第70話 退院

 母親が退院の手続きをする間、手持ち無沙汰な僕は、尾張さんに話しかける。 「病院なら他…

第71話 いつもの放課後

 僕が学校に復帰してから数日。  すっかりいつも通りになった放課後、旧文芸部の教室には…

第72話 ありえたかもしれない未来

 暗い路地裏を一人の目立つ髪色の少女が歩いている。  少女はしきりに周囲の様子を伺ってい…

第73話 終わらせるための理由

 放課後の旧文芸部室。少年と少女が椅子を並べて座っている。  少年は、新品のスマートフォ…

第74話 世界の終わりを君に捧ぐ 序 1

 血と硝煙の臭いが鼻をつく。この臭いにはいつまでも慣れない。  わざと泥で汚した服を着て、誰にも見つからないように物陰に身を潜める。  一時的に静かになっていた戦場に乾いた破裂音が鳴り響く。 「始まったわね。」  少女が、そう零す。  泥で汚れた青年は、その声に頷くと、倒れていく人々にカメラのレンズを向ける。  数日前。青年と少女は、日本を飛び立った。  空港でスーツを着こなしたキャリアウーマンのような女性に渡されたお守りを首から下げて、青年は飛行機の

第75話 世界の終わりを君に捧ぐ 序 2

 入国審査を終えると外は既に暗くなっていた。日本で事前に紹介してもらった現地ガイドを探す…

第76話 世界の終わりを君に捧ぐ 序 3

 翌日の早朝、アルマさんを待つ間、ホテルの周辺の景色と街の人々の写真を撮影しながら尾張さ…

第77話 世界の終わりを君に捧ぐ 破 1

 ホテルのすぐ目の前に停車していたジープに乗り込む。 「昨日とは違う車なんですね。」 …

第78話 世界の終わりを君に捧ぐ 破 2

「こんなところに子供が一人で?」 「あやしいわね。」  尾張さんが、男の子をじーっと見…

第79話 世界の終わりを君に捧ぐ 破 3

「紀美丹君!?」  倒れた僕を、尾張さんが瓦礫の影に引きずっていく。 「紀美丹君!大丈…

第80話 世界の終わりを君に捧ぐ 急 1

 念の為、病院へ行き怪我の状態を診断してもらう。  幸い軽い打撲程度で済んでいたので、湿…

第81話 世界の終わりを君に捧ぐ 急 2

 他の店舗でもいくつかお土産を購入した後、小腹が空いてきたので、屋台で軽く軽食をとる事にする。 「次はどこに行きましょうか?」  アルマさんが、料理に口をつけながら、そう聞いてくる。 「そうですね、尾張さんはどこか行きたいところありますか?」 「そうね。砂漠の中にあるオアシスっていうものには少し興味があるわね。」  尾張さんは口元に指を触れさせる。 「オアシスですか。つまり、水着ということですよね。」 「なんでそうなるのよ。水辺から風景を眺めるだけ