名都美術館『福田豊四郎と堀文子』展・その5
福田豊四郎と堀文子の鳥について。
福田豊四郎の猛禽を書いた作品は二点。
『八幡平』『平原』。
『八幡平』の方は、まさにウサギを仕留めた瞬間。
草むらに突きこまれた太い脚の先は見えない。
断末魔の叫びをあげるウサギの頭だけが、葉の間から覗いている。
空気を叩きつけるように翻る羽根は、刀のような鉄の色で、見えない爪の鋭さと残酷さを暗示しているみたい。
なのに、画面の下三分の一は、日差しのように明るい黄色、拍手するような葉が、半分に届けとばかりにはじけていて、空は明るい青、ひたす