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「湖池屋の流儀」を読んで

週末に日本を代表するマーケターの一人である湖池屋の佐藤章社長の本を読みました。

随分前ですがNHKのプロフェッショナルでキリンビバレッジのマーケターとして登場された時からすごい人だな、と思って記憶していました。

その時も感じたのがチームに活力を与えるエナジャイザーとして成果を発揮している人で、それは、湖池屋の社長になってからも変わっていないというのをこの本を読みながら思いました。

キリン時代、営業のたたき上げからマーケターとして数々のヒット作を生み出されるわけですが、モノづくりへの精神を非常に大切にしています。いわゆる外資的(P&G?)な市場調査のデータとフレームワーク重視のマーケターとの違いなのでしょう。

技術、製品開発、クリエイターとのコミュニケーシ(壁打ち)によって刺激しあって、ブレストすることで、新商品を生み出してきたわけです。

当時、リーダー企業(カルビー)の低価格戦略に巻き込まれて、そもそもポテトチップス製造の元祖でありながら赤字に苦しんでいた企業でその熱さでチーム意識を醸成することで会社をよみがえらせたのだとわかります。

そんな強力な精神をもった佐藤氏ですが、「プライドポテト」の発売時には体調も悪くし強いストレスを抱えていたそうです。「プライドポテト」で大成功し、2番手「ピュアポテト」もヒットしました。そのころには、社内風土も劇的に改善し、顧客からの湖池屋に対する知覚品質も大きく変えることができました。「カラムーチョ」は製品自体には手を加えず、パッケージやロゴのデザインを変えただけでしたが売上を大きく伸ばすことができたのは湖池屋のブランドが改善したことの証です。

本書では、マーケターとしての心得も述べられています。たとえば、文化を知ることの重要性です。カルチャーからモノを生み出せるマーケターは本物であると考えとの考えは非常に重要で常にアンテナを張って外のものに目を向ける必要があることを教えてくれます。

また、マーケティング専任を作らず、若い時にはいろいろな部署を経験することなんかも日本企業の長い目で社員を育ているという最近では少し忘れられているような良さなのかと思います。

日本を元気にするという思いがベースにあり、日本の伝統的な良いものへの関心も強いので、日本の地場産業や中小企業の経営者も読んで勇気づけられると思います。

本書を読みながら食べた「湖池屋プライドポテト」はすごく美味しかったです。

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