「かたちには理由がある」を読んで
プロダクトデザイナーの秋田道夫さんの「かたちには理由がある」を読みました。
デザインには興味があります。
とは言っても、絵を描くわけでもうまいわけでもないですし、どちらかと言えば子供の時から美術は苦手でした。
今もせいぜいやることとしたらプレゼンの資料作成の時に、見やすくならないかなぁと工夫はしたりするんですけど、結局、時間がないとありきたりな箇条書きとグラフとちょっと拾い画像とかでビジュアル追加するなんていうお粗末なスライドを作ってしまいます。
そんな自分を少しでも改善したいと思いデザインの本とか展示会などを時間を見つけては眺めています。
製品デザイナーの方の考えを少しでも学べたらと思いこの本を手にとりました。
秋田さんのことは存じ上げませんでした。だから、最初の数ページに口絵として掲載された写真(信号機とかカップ、ナイフ、1本用ワインセラーなど)のことしか作品のことは知りません。それで、「あ、シンプルな製品デザイン」をする人なんだな、という印象を持ったところから読み始めました。
「はじめにー観察はデザインに勝る」のところでいきなり自分のセンスの無さにがっかりさせられました。
3つの図形があってどれが好きですか、という質問に対して、私が選んだのは立体的な円です。その選択肢に対するコメントは「呪術的な意味合いを込めってちょっと怖い」でした。
正解と言いますか、遠藤さんが選ぶのは「正円」です。遠藤さんのデザインは、基本的に正方形や正円、正四角柱、円柱なのだそうです。いびつな形とか奇を衒うということはなくて、タイトルにある通りなぜそのかたちになるのかを観察から導き出して、無駄なものを削ぎ落としていくというのが美しさにつながるというのが本書の全体を通してのメッセージなのかなと思いました。
たった150ページ足らずの本ですので、すぐに読み終わりそうな感じなのですが、読んでみると結構深いです。作品の写真を見つめながら文章も観察するかのように読み進めるといろいろと発見があります。
とりあえず、自分として実践しようと思ったことは、まずまわりのものをよく観察してなぜそんな形なのか、まっさらな目で見つめてみること。それと、シンプルに飾ることなくスッキリとした体裁を目指していくことから始めてみようかなと思いました。