カルビーが顧客幸福度を高めるためのファンマーケティング
日経クロストレンドカレッジでカルビーのファンマーケティングをオンラインで聴講しました。
ファンベースについては、佐藤尚之さんの本を愛読しているので、特に関心がありました。
ファンベースマーケティングは、コアファン層をコミュニティに取り込み、さらに参画を促し、共創関係に育て上げる手法です。
カルビーとファンマーケティング
カルビーといえば、スナック菓子のナンバーワン企業です。「ポテトチップス」、「かっぱえびせん」、「じゃがりこ」などのブランド力を持つリーダー企業として、広告を中心としたマスマーケティング戦略が鉄板でしょう。しかし、近年の「顧客幸福度ランキング」で菓子業界1位のスコアを獲得したことから、カルビーがファンマーケティングに注力していることがわかりました。
顧客幸福度とは
「顧客幸福度」とは、企業やブランドが顧客の生活にどれだけ幸福をもたらしているかを測る新しい指標です。これは、物質的な豊かさから心の豊かさへの社会の価値観の変化を反映しています。カルビーは、この新指標で高評価を得るために、徹底した顧客体験(CX)改善に取り組んでいます。
カルビーのファンマーケティング戦略
カルビーのマーケティング戦略の一環として、100人未満の少人数で行うファンミーティングがあります。これらのイベントはCXプランニング室が中心となって実施しており、テーマごとや参加者の居住地に合わせた限定イベントを開催することで、ファンとの強い絆を築いています。
イベントの効果測定
カルビーは、イベント参加者の口コミと購買量の変化を重要業績評価指標(KPI)の一つとして設定しています。特に、「ルビープログラム」というアプリを活用し、参加者の購買量を可視化しています。これにより、イベント参加者の購買量が最大60%増加することもあり、ファンイベントが売り上げに貢献していることが明らかになっています。
ルビープログラムの活用
「ルビープログラム」は、商品パッケージを折りたたんでスキャンすることでポイントを貯めることができるアプリです。このポイントは懸賞応募などに利用できます。私も試しに「折りパケ」を実施してみましたが、ポイントが貯まる仕組みは楽しいものでした。ただし、個人的には手間を考えると、カルビーファンでなければ利用は難しいかもしれません。逆に言えば、ファンミーティングとの相性の良いプログラムといえるでしょう。
ファンマーケティングの副次効果
ファンマーケティングのもう一つの重要な効果は、ファンの声を直接聞くことで社員のモチベーションが向上する点です。ファンの熱狂的な声を聞くことで感動して涙する社員もいるそうです。
まとめ
カルビーのファンマーケティングは、顧客との深い関係性を築き、企業の価値を高めるための重要な戦略であると言えるでしょう。今後、熱狂的なファンとの共創やオリジナルプロモーションを計画しており、顧客幸福度のさらなる向上を目指しているそうですが、カルビーの取り組みがどのように進化していくのか注目していきたいと思います。
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