今月の短歌 24年4月16日~4月30日
狭い道 言葉で眠る未来ならどうぞどうぞと先を譲るよ
パクチーに対する嫌悪がこれほどとはと驚くざわつく味覚
触れたら割れた ねえ、僕が僕であることまっすぐ訪ねていいかい?
ひとことを紡ぐその度拍動がトクトクトクと高鳴る今日も
赤く染む出会ったことも喋ってもないその棘に反応したい
また今日も駄目だった日に ひとりごと ひとつふたつと星に還してく
わがままなケーブル あの日追いかけて断ち切った夜、ただ答えたい
周章てる時間 春に慣れてきたのに閑かに機会を逃していく
予報よりジメッとする日 ジャケットを羽織った猫背が鏡に映る
泣き寝入りという進路が楽ならば追い詰められた午後も歌える
アッパーをミドルカットにしたことでアイデア増えたポイントガード
「こんな人」「あんな人」っていう主語の矜持、そうあなたはどんな人?
あなたへと届くといいなこの手紙 甥は中学 追い風が吹く
海岸で口ずさめれば僕はただ漣になる、限りない波