★仏像展★福井市立郷土歴史博物館『福井の里山 文殊山ゆかりの神仏』
近年は気軽にハイキングが楽しめる里山として多くの人に親しまれている文殊山。一方文殊山は、奈良時代の名僧・泰澄が開いたとされる「越前五山」の一つに数えられる霊山であり、その山麓には文殊山信仰の拠点である楞厳寺をはじめ、数多くの密教寺院が栄えていたと伝わります。本展では、文殊山ゆかりの仏像を中心に展示し、文殊山の深遠な歴史と信仰を紐解いていきたいと思います。(公式HPより)
変更履歴
2023/09/04 初版
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福井市立郷土歴史博物館
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展示品はこちら参照(公式HP)。パンフレットはこちら(公式HP)。しっかりとしたパンフレットが頂けます。
#二上観音堂 :多聞天・広目天
二上観音堂の本尊は欠席でパネル展示でした・・残念。注目は頭上の宝髻(ほうけい)ですね。観音は髪を上に束ねて宝冠などを被っている。十一面観音は頭に化仏がいるのだが、この地域の十一面観音は宝髻に化仏がいる・・。
秘仏公開されたようなので他ページを参照してください。他力本願です。
御開帳は1991年、2023年と33年に一度と中開帳なしのようです。1994年に国の重要文化財指定を受けたとき、東京国立博物館に2週間程展示されたことがあるようです。
多聞天・広目天
本尊十一面観音立像の脇侍は針葉樹の一木。平安後期の仏像の和様化が見られ、制作は十一世紀頃と推察されている。二上町の言い伝えでは、かつて四天王の他の二尊も存在したとさている。コミカル系コンビですね。パンフレット下側の写真です。
#猿田彦神社 :十一面観音立像
前述した二上観音堂の本尊と同じく十一面観音立像で、宝髻に化仏がある。この地域の特色だろうか。東大寺荘園でもあったようなので、なにか面白い話があるのかもしれない。
#楞厳寺 :文殊菩薩坐像、十一面観音坐像、弘法大師坐像、薬師如来坐像、阿弥陀如来坐像
鎌倉時代と江戸時代の文殊菩薩坐像が展示されていた。さすが文殊山と言われるだけあって、文殊菩薩は多かったのだろうか。
楞厳寺の文殊菩薩坐像、十一面観音坐像、弘法大師坐像が360度見られるように真ん中にクリアガラスに守られて展示されていた。
文殊菩薩坐像は平安時代作にも感じる穏やかさで、鎌倉時代のものだった。
次に、鎌倉時代の十一面観音坐像が真ん中に展示されていたが、鎌倉時代で十一面観音の珍しい坐像だが玉眼ではないので、一瞬、平安時代かと思ってしまった。説明によると江戸時代に修復したときまでは玉眼だったとか・・・ということで伝運慶作とも・・・これはないかと思うが。。展示会の説明は少なくとも慶派には間違いないとするが、どうだろう・・。
次の玉眼の弘法大師坐像ですね。こちらはなるほどと思ったが、説明では快慶作となっていた。後ろの頭の形は凸凹があり、どちらかというと運慶工房のリアリティを感じたのだが、いずれにせよ運慶でも快慶でもないと確信している。NHKのニュースでこの3体の仏像説明がありますね。
さて、真ん中に展示された三尊以外は背後に展示されていた。具体的には、薬師如来坐像、阿弥陀如来坐像だが、正直、あまり記憶にない・・ので説明割愛。この寺は定期的に仏像展を開いているようですね。今回の展示の写真が見れますので参考にどうぞ。
寺に行くときは、クマ対策の鈴なども忘れずにという感じですね。
#上河北町白山神社 :女神坐像、僧形神坐像・男神坐像、阿弥陀如来立像、毘沙門天立像
女神像を主神として男神像と僧形神像が展示されていた。女神像は白山比咩神の姿だろうとされている。
#片上神社 :十一面観音坐像、阿弥陀如来坐像、聖観音坐像
泰澄大師が開いたという霊山「越前五山」の一つに数えられる文殊山は、中世には白山信仰と文殊山信仰の混交が進んだようだ。
白山三所権現の本地仏は、十一面観音、阿弥陀如来、聖観音だが、文殊山の本地仏は、文殊菩薩、阿弥陀如来、聖観音となっており、十一面観音と文殊菩が入れ替わったということのようだ。
本展示会では鯖江市の片上神社から白山三所権現が展示されていた。三所権現本地仏像は越知山大谷寺の三尊も有名なようですね。
▼過去の関係・類似展 なし
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