自分が嫌いで、何が愛だ

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2年前の自分に言いたい。彼のことを愛しているかもしれないが、自分を愛せていないうちの愛なんてただの錯覚だと。

彼が他の女といるだけで、不安で他のことが手に付かない。

何も無いと分かっていてもあることないこと考えてしまい、そんな自分が嫌で自尊心が削られる。

会っている間は幸せで全てが満たされるのに、一緒にいない時間がただの「彼のいない時間」に変わっていく。


それほどまでに誰かを愛することができたことは、今となれば懐かしく羨ましいのだが、果たしてそれは本当に愛していたのか、疑問だ。


あなたは誰よりあなたの味方でいるべきで、自分がどうなりたいのかをもっと明確にしなくてはいけない。彼があなたのことを嫌いになろうと、あなたはあなたのことを嫌いになってはいけない。彼に愛されない自分のことも愛せてこそ、本当に彼のことを愛することができるのではないだろうか?つまり、自分のことを愛せていないあなたは、彼のことを本当に愛することはできない、ということだ。それを今、2年後の私から証明しようと思う。


あなたが彼に「許せない!」と思うのは、例えば次のようなときだったと思う。

1)会う約束をしていた日に急遽会えなくなり、それを次に会った時には忘れられていて「この間はごめんね」の一言も無く、何事もなかったような顔をされたとき

2)バーでのバイトを辞めると言った次の週には「お客さんに挨拶もなく辞めるのは嫌だからやっぱりもう1ヶ月はやろうと思う」と、言っていることを変えたとき

3)飲みに行ってくるとだけ言っておいて、その場に女の子がいると分かったとき

4)元カノと連絡をとっていることが分かったとき

5)同棲したいと言っておいて仕事をちゃんとせず、催促しても何も変わらなかったとき


怒るポイントが多すぎて無限にあげられるのでこの程度にしておくが、どれも自分のことを自分で愛することができればこんなことでは怒らなくて済む。

全て「言ったことと違うから」「約束と違うから」「筋が通っていないから」と大義名分を振りかざして彼にブチギレ、持ち前の口喧嘩の強さで黙らせてきたあなたにはショックで受け入れたくない事実だろうが、こんなことで腹が立っているのは「自分を愛するということを彼に丸投げしているから」以外何でもない。


は?という顔をしているのが目に見えるので、一つずつ解説していこうと思う。


1)会う約束をしていた日に急遽会えなくなり、それを次に会った時には忘れられていて「この間はごめんね」の一言も無く、何事もなかったような顔をされたとき


このときは彼の運転する車の助手席で終始無言&真顔で完全なるモアイ像と化し、モアイ像を乗せた車内は最悪の空気に包まれていたことと思う。

「何で怒ってるの?」という彼の言葉はモアイ像をさらに石化させたであろう。

これも自分を自分で愛せていたらモアイ像にはならなかった、ということをまずは証明していきたい。

あなたが怒っているのは「彼氏がドタキャンしておいてちゃんと謝らなかったからだ」と言いたいのだろうが、本当のところはそうではない。


あなたはプライドが高いので、無意識のうちに寂しさや悲しさを怒りに変えてしまっている。

プライドを捨てて怒りを寂しさや悲しさに戻すと

「会えると思って気合を入れてメイクして服も着替えて待っていたのに会えなくなり、寂しかった」 という気持ちや

「その気持ちに気づかず何でもない顔をされて、さらに悲しい」

という感情が隠れているはずだ。そんなことない!と言う前にちょっと聞いて欲しい。


ここであなたが自分のことを愛せていた、つまり「自立していた」としたら、同じことが起きた時にどうしていただろうと考えてみる。


会えると思って気合を入れてメイクして服も着替えて待っていたのに会えなくなり寂しくなるかもしれない。でも

気合いの入ったメイクとコーディネートで、他の誰かに会うという選択肢や

会えなくなって空いた時間で大好きな漫才を見たり、家で家族と他愛もない話をして過ごしたり、たまには美容のために早く寝てみたり、最近気になっている下っ腹に立ち向かうため筋トレをしてみたり、、あなたを楽しませることができる時間の使い方は、彼に会う以外にもたくさんあったのではないだろうか。

あなたがあなたのことを愛していれば、彼に会えなくなろうが、自分のことを楽しませる方法を他にも探してあげたのではないか。それに、あなたにはそれができるはずだと2年後の私は思う。


あなたを楽しませることを、彼に丸投げしているから、楽しみにしていたのに!とブチギレモアイと化すのである。


次。


2)バーでのバイトを辞めると言った次の週には「お客さんに挨拶もなく辞めるのは嫌だからやっぱりもう1ヶ月はやろうと思う」と、言っていることを変えたとき


あなたは、彼がバーでバイトをしていることがずっと不満だった。女の子相手にお酒を飲む仕事のどこが楽しいんだ、私という彼女がいながら他の女を欲する意味がわからない、酒も弱いくせに調子乗んな、お前はお前が思うほど別に顔もかっこよくねぇからな!??!?!?!?!と思っていて

彼はそんなあなたの殺意を感じ「バーのバイトは辞めようと思う」と決めてくれたわけだが、あなたはその辞めようと思う、の語尾に(ドヤ顔)がついていたことにまた腹が立って(だったら最初からやんなよ)とまたモアイを召喚していたことと思う。


付き合いたての頃、モアイは猫をかぶっていて

今しかできないことをやりたい、という彼に「やりたいこと応援するよ!」と言っていた。

バーのバイトを辞めて欲しいと思っていても「今しかできないと思うんだよね」と言われると、渋々しわっしわの猫をかぶり直した。


そんな毎日だったからこそ「バー辞めようと思う(ドヤ顔)」の発言に対しては

最初からやんなよ、と思いつつも 私の気持ちが伝わった!やっぱり彼にとって私が一番大事なんだ!と嬉しかったのだろうと思う。

だからこそ「お客さんがどうのこうの〜だからもう1ヶ月はやろうと思う」と言われたときは、はぁ?!?!?!??私より客の方が大事なわけ!?!?!??!!?どうせお前の店に来るような客なんてブスばっかだろブスのためにもう1ヶ月私に我慢させるとかまじでありえんふざけんな!!!!!!!と、もはやモアイでも何でもなく性根腐った性格激悪女と化していたのだろう。。


これも言わずもがな、自分を自分で愛せている状態、つまり自立している状態であれば性格激悪女を召喚しなくて済んだはずだ。

性格激悪女は「男に二言はねえだろ!!!!!!!!!!!!」と正論ふりかざしていたであろうが、彼が彼女である自分の気持ちよりも、客であるブス女の気持ちを優先したことによって自分がブス女たちより下にランク付けされたことによって自尊心を削られて悲しかっただけだ。


例えブス女以下のランク付けをされたとしても、あなたが自分に対して自信を持っていればそんなことは気にならなかったはずだ。

自分の価値を「彼にとって自分が1番なのかどうか」という指標一つで見極めてしまっているせいで、彼の1番でないだけで自分の価値が下がったように感じてしまい、酷く悲しく虚しく、惨めな気持ちになってしまい、その気持ちを無意識のうちにプライドによって怒りに変えてしまうだけである。


それから、次。


3)飲みに行ってくるとだけ言っておいて、その場に女の子がいると分かったとき


これはあなたが一番嫌いな事象だと思うが、これは秒で証明できる。

「いちいち黙って行く意味がわからんきも!!!!!!」と思っているであろうが

あなたは不安なだけだ。

不安というのは、リスクを感じた時に生まれる感情だ。

あなたが考えるリスクは「彼が一緒に飲んだ女のことを好きになること」だとか「彼が酔っ払って女と寝てしまうこと」だとかその他もろもろもろもろ無限のリスクをとめどないものであろうが、それがどうした?

そんな男はそもそもあなたに付き合う価値のない奴なのだから、それが分かった時点でご丁寧に別れを告げればいいだけの話だ。

あなたがあなたのことを愛していれば、そんな男に自分の身を捧げることがどれだけ愚かで、何よりのリスクであることは、アホじゃないのだから少し考えればすぐに分かることではないか。

彼が女と飲もうが、あなたには何のリスクもない。何が起きたとしても自分を大事にするための選択をすればいいだけなのだから「楽しんできてね」と一言送り出してあげたらいい。


次。(あと2つ)


4)元カノと連絡を取っていることが分かったとき


そろそろ証明していくのも疲れたし、あなたもそろそろ「そっか、確かに」という顔になってきているだろうから端的に話していこうと思う。


元カノと連絡を取っている、そんな彼が嫌なら別れればいい。

元カノと連絡を取っていても好きで別れられないなら一緒にいればいい。

先に述べたことと重複するが、元カノと連絡を取っていて何かが起こったとしても”何かが起きた時にあなたがあなたを大事にするための選択をすればいい”だけの話なのだから、何も起きていない今からあることないこと考える必要はない。


次、ラスト。


5)同棲したいと言っておいて仕事をちゃんとせず、催促しても何も変わらなかったとき


もう一言で終わらすけど、じゃあ同棲しなければいい。仕事をちゃんとしていない男と同棲してあなたが幸せになれるはずがない。自分のことを愛していたら、自分を幸せにするためにと考えるし、その結果その彼との同棲は有り得ないことだ。それなのに催促するという時点で、あなたは彼の「同棲したい」を叶えることを優先していることになるし、一旦落ち着いて自分のことを大事にすることをもっと重視していくべきだ。そうすれば「今のまま一緒に住んでも不安だから、仕事がちゃんとしてからじゃないと難しいかな」と伝えるだけでいいし、怒ることなんてない。



プライドが高くて頑固で口が達者なあなたを納得させようと思うとつい長くなってしまったが、以上のことから2年後の私は「自分を愛せなければ人は愛せない」し「自分を愛せていれば人を愛せる、大事にできる」と思う。


こんなことを言うと今の私はとても自立していて自分のことをとても愛せているように聞こえるだろうが(というかそう見せているが)実際のところはそうではない。


今でも好きな人に好かれるために一生懸命になるあまり、自分のことを見失うこともあるし、好きな人に好かれない自分のことは嫌いになってしまいそうになる。


だからこうして2年前のあなたに文字にすることで、自分を愛せていない自分への注意喚起になると考えた。


SNSで他人にいくらいいねされようが

好きな人にいくら好かれていようが

他の誰より自分に愛されていること

それが幸せ

そして「強さ」だということ、いつでも忘れないようにしたくて。


自尊心を削られるような恋愛はするべきではない

と思いながら、それほどのめり込める相手がいることは素敵なことだ

とも思う。


矛盾しているけど、素直な気持ちだからそれも大事にしていこうと思う。


まとまりもない文章だし、これを読むのは2年前の自分ではなく1ヶ月後や1年後やもしかしたら10年後の自分かもしれないけど、この気持ちを残すことに意味があると、また、この文章を書くことができている自分のことを、今は少なからず愛しているから、恥ずかしがらずに公開しようと思った。


自分を愛せず、何が愛だ。

これからもそう言い聞かせて、生きていこうと思う。




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