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冬の札幌散歩1 中島公園
雪の公園を歩く
雪まつり真っ最中の札幌。乗り慣れた地下鉄の車両の中でも様々な言語が飛び交い、国際色も豊かです。この時期はとりわけ大通周辺はどこも混雑しているので、こんな時こそ都会の喧騒から離れて、山歩きをしたいところだったのですが、あいにくの大雪の予報。仕方なく街なかでも少しは人が少なそうな中島公園を歩いてみることにしました。
中島公園は大通、すすきのからもほど近く、地下鉄南北線「中島公園」駅から直結しており、市内の大規模な公園の中でも抜群の好アクセスを誇っています。しかし、ホテルが独自で作り上げた雪像や氷像が見られるほかはあまり雪まつりムードは感じられません(本当は「ゆきあかり」イベントが行われていたのですが前日で終了していました)。
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それでも人通りは普段より2割増というところでしょうか。重要文化財に指定されている「豊平館」も久しぶりに見ましたが、水色の外壁が雪景色に映えてより美しく見えます。また、いつも「こんなところに」と思って眺めていた「札幌市天文台」はちょうどよいスロープになっていて、家族連れのソリ滑りのゲレンデと化していました。
昔あった遊園地は?
公園を歩いていて、自分が若い頃はここに遊園地があったことを思い出しました。子ども向けの施設だったけれど、意外とスリリングなジェットコースターもあったような・・・。それがいつごろまであったのか知りたくなって調べてみました。「子供の国」は1958年に開かれた「北海道大博覧会」の一施設として造られ、1994年に円山動物園に移設されるまで営業していたということです(円山動物園移設後の施設も2010年に営業終了)。跡地には1997年に「札幌コンサートホールkitara」がオープンしています。
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そして、この「北海道大博覧会」の1施設としてもう一つ現存しているのが、前述の「札幌市天文台」です。普段は閉館していると思っていたのですが、案内板をみると昼間は月曜日を除き基本的に開館していて、太陽や金星の観察ができ、金土日は夜間も開館しているそうです。こんな身近に天体観察ができる施設があるとは知らなかった・・・。
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公園のパンフレットを眺めていたら、中島公園について結構意外なことがわかりました。
1. 中島公園の「中島」の由来は、豊平川と、支流の鴨々川に囲まれた地域を明治時代「鴨々中島」と呼び、豊平川の対岸の中島(なかのしま。後に「中の島」)と区別していた。
2. 貸しボートが楽しめる「菖蒲池」は開拓初期に、豊平川上流から運ばれてきた木材の「貯木場」だった。地下鉄南北線の工事の際には池の水が一時抜かれ開削工法によって工事が進められた
3. 国の重要文化財である「豊平館」はもともと大通西1丁目にあった洋造旅館(ホテル)で、テレビ塔の建設により1957年に現在地に移設された(移設されなかったら時計台のように、ビル街に埋もれて目立たなかったかも?)。
公園という身近な場所を通して、街の移り変わりがわかるのは興味深いですね。また、札幌の身近な場所にスポットを当てて調べてみようと思いました。