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【みんなは知らない、スーパーの内緒話】

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皆さんが知らないスーパーマーケットの「内緒話」を経営者だった私が公開します!
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2022年12月の記事一覧

【地域貢献、何のため?誰のため?】

✅ 郷原(きょうげん) : 道徳家を装って郷里の評判を得ようとする俗物を差す言葉。 難しい言葉である。 「あれもした、これもした!」と勝手に地域貢献したつもりで自画自賛する私。人によっては気に入らないタイプの経営者である (笑)そんなことは分かっていた(^^; 弊社「スーパーやまと」が100周年を迎えた時、記念式典も記念事業もしなかった。あえて言うなら寂れた甲府市中心街の空き店舗に出店した程度(それもその後お払い箱にされたが)。 友人 「100周年なんだから、なんかし

【地域貢献とビジネスの両立】

写真は社長室の壁いっぱいに飾られた、お客様からのお礼の手紙。窓以外のスペースは感謝状で埋め尽くされていた思い出の場所である💧 これだけ地域のためにやれば、きっと経営も盤石でしょう? きっと専門誌や業界紙でも褒められるかも知れない…。私もそう思っていたし、順調にいっていた。 しかし、「あれもした、これもした」と自画自賛を重ねても、同業他社にはやっかまれて批判される。自分がその立場でも、こんな目立つ若造は気に入らないし鼻につく。スキあらば潰してしまいたい! 正義の味方を気

【大手卸問屋と中小小売店の理不尽な関係】

写真はスーパーやまとの売場から商品を仕入れて販売していた個人商店、 その名も『スーパーやまとフレンドリーショップ◯◯屋』である。 本来、商取引における売り手と買い手の関係は「同等」であるはず。 しかし大手の食品卸問屋と弱小商店との取引には、暗黙の「上下関係」が存在している。 中小のチェーン店や個人商店など、大手問屋はそもそも相手にしていない。大きな店とまとめて商売した方が効率的であり、利益も(大きくなくても)安定するからだ。 しかし「ウチは大手の店しか商品を卸しません!

【スーパーやまとのロゴの意味】

昔、私が大学に合格した春、目と鼻の先にある駅前に商業ビルを建て、その核テナントに天下のイトーヨーカドーを誘致するという開発話が持ち上がった。 人口3万人程度の田舎町に、日本一のスーパーがやってくる! 地元住民は両手を挙げて歓迎した(^O^)/ この背景には、これまで家業である「スーパーやまと」が地域の顧客を独占し、他企業の出店を阻止してきたことへの反発がある。 市長や議員を丸め込めば、競合店の出店を阻止することが出来た時代。いわゆる地域経済を保護する「大店舗法」の悪用

【おせちの準備はお早めに!】

奥さ〜ん!あと2週間で今年も終わりですよ(^O^)/ 街はクリスマスムード一色! 行き交う人の購買意欲を掻き立てるように、いろんな店が「おいでおいで」している❤️ 私はスーパーの社長だったので、店を閉めた今でもこの時期は血が騒ぐ🔥 そしてその後に控えた店の一大行事『おせち商戦』のことを思い出す。 クリスマス商戦🎅🏻が終わる25日夜をもって売り場を一気にお正月モード🎍に切り替える。普段は特売品を並べている平台や冷蔵ケースを空けて、社員総出で「おせち関連商品」を一気に陳列す

【 店長が売上げを持ち逃げ?(閲覧注意) 】

今回の話はちょっと重い…。 もちろん社員は信頼している。しかし長期間、沢山の店舗を営業していると様々なトラブルが起こるのが世の常である。「管理が甘い!」と言われたらそれまでのこと。そう、私は管理が甘く、お人好しである。 📞ある月曜日の朝、店長が慌てて電話をしてきた💦 「社長!銀行から『夜間金庫に売り上げ金が入ってない』と連絡があって、昨日の夜、遅番で店を閉めた副店長に連絡したけど、ずっと電話に出ないんです」 私 「おいおい、そんなに慌てんなよ 。アイツは今日休みだから

【おい、見てみろ!あの店潰れたぜぇ〜笑】の『誤解』

厳しい時代である。 昨日まであった馴染みの店や、ショッピングモールの中にあったご贔屓のテナントが閉店することはよくある。毎日目にするコンビニも、最近棚に余り商品が並んでないと思っていたら「長年のご愛顧感謝します!」の張り紙と共に閉店…。悲しい現実である💧 それを見た消費者は「やっぱりあの店潰れたぜ!」「そうじゃないかと思ってたわ」と当たり前のように会話のネタとなる。 しかし、店を経営してきた立場から見ると、これは逆の考えになる。 店舗の閉店には、 ①そもそもの経営破綻

【店長の悲哀…スーパーの営業日報より】

店の数だけ店長がいて、支店の数だけ支店長がいる。店の責任者とはいえ予算に追われ、人のことで悩み、その立場は決して羨ましいものとは言えない。 以下、 📝◯月◯日、お客様からレジの打ち間違いの苦情あり。 「お詫びの言葉もございません💦」と謝罪したら『謝る気は無いのか💢」と怒られてすぐに訪問。「社員教育がなってない!」と一時間シボられました💧 📝◯月◯日、特売のカボチャを買って煮付けたら「これはお前の味じゃない!」とおじいさんに怒られた。他のカボチャに替えて!」のクレーム。 同

【スーパーで賢くお買い物しましょう!】

値上げが続いていますね (^^ゞ スーパーで買い物するならお得に参りましょう! こんな話題はワイドショーでやり尽くされているとは思いますが、私も少し詳しいのでここでご紹介しま〜す(^_−)−☆ ✅みんな大好き、夕方の「値引き売り尽くし」 日が短くなると値引きシールを貼るタイミングが夏より遅くなる。夏なら夕方6時、冬は5時みたいな感じ。ごひいきの店のクセをつかみましよう! ✅通常、毎週水曜日と日曜日は市場が休みになる。 そのため生鮮品のお買い物は前日がお薦め!在庫処分で値引

【スーパーで賢くお買い物しましょう!その② 】

続編まいります! お得にお買い物をするための豆知識・スーパーの裏話をお届けしましょう! ✅チラシの目玉商品は白いもの! 砂糖・パン・タマゴ・豆腐・米・ティッシュPなど、特売商品には白い商品を入れると、お客さんの反応が良い! ✅タマゴは冷蔵ケースでの販売義務はないが、あえて冷蔵ケースに入れて売るスーパーは鮮度管理にうるさい証拠。 安いタマゴはサイズミックスとは言っても小玉比率が高い。タマゴはパックで販売されるが、取り引きはキロ単位で行われている。 ✅牛肉の値段が高くなった

【ちょっと、なに言ってんだかわかんない!スーパーの隠語・専門用語】

「◯◯市からお越しの◯◯様、サービスカウンターまでお越しください!」違和感もなく流れる店内放送🎤  私なら「ん?なんかあったな…」と解釈する。 買い物を楽しむお客さんの迷惑にならないように、従業員同士で業務連絡を交わす、そこには業界ごとに「隠語」なるものが存在する。 それじゃ、 ⭐️「商品をお待ちの赤井様、お待たせいたしました。精肉コーナーまでお越しください!」 これを聞いたら、すぐに精肉売り場から離れるべきである! (答えは最後に) さて、今回はスーパーマーケットの

【晴れの日・ケの日 スーパーの販促カレンダー】

スーパーは毎日忙しい訳ではない。大型店は週末、最寄り店なら平日が稼ぎ時となる。しかしそれだけでは売上げや利益が確保できない。 そのため売る側も様々なイベントや時期に合わせた販促をする。これは全国ほぼ一緒であり、毎年お客さんの方も「あら、もうそんな時期?」と、購買を刺激する作戦でもある。 「クリスマスセール」を終えた今は、お正月に向けて全力で酒や刺身・お肉、そして売り場のレイアウトを変えておせち料理の材料を拡売する。ボーナス後だけに従業員にも厳しいノルマが課される💦 ✅年

【開店日のトラブル・その②】

開店日に火事を出した記事が好評でしたので、今回は第二弾いきます! 開店日と言えば計画段階から準備を重ねて、愛する子どもが誕生するのと同じくらい嬉しい記念日である。取引先の協力を得て、破格の値段で商品が並べられ、たくさんのお客様が来店する。 人の集まるところには、それを目当てに「茶目っ気」を出す連中が集まる…。 ✅買い物を終えた高齢者にチラシを渡し、店舗近くに借りた場所(公民館や特設テント)まで連れて行き「羽毛布団」や「健康器具」を売りつける奴ら。 記念品(お菓子やタオル