養老院のサンバ「You’re rollin thunder」
口の中が「ギャガガグルグルグッピ」と鳴っている。音だけじゃなく痛い。確か内視鏡的胃粘膜下層剥離術よく言うESDの手術中で胃を切っているはずなのに。何度も大腸ポリープ切除も内視鏡で受けているがこちらは目覚めるまで痛みを感じることはなかった。今回も麻酔が効き寝ている間に終わると思っていたのに大誤算だ。この後いつ痛みがくるか怖くて仕方なかった。
麻酔が覚めてしばらくして原因は分かった。指輪は外すようにと書いてあったし、手術直前に外せる金属製の入れ歯は無いですねと念押しされていたが銀歯は外せない。虫歯は左右両方にあり口中に雷が走ってもしょうがない。なぜなら、胃カメラ検査と同様にケーブルを口から入れて胃の内側の粘膜を電気メスで切り取るため金属に飛ぶ。まるでアリスの「冬の稲妻」である。
「続・祝!21世紀枠甲子園初出場」に触れた落ち込んだ出来事は早期胃癌の診断であり、人生史上最悪だ。「我儘な子供を開眼させる魔法の言葉」に書いた通り毎年胃カメラ検査が必要なのだが、こんなに早く発症するとは。主治医の説明では胃粘膜はピロリ菌にかなりやられており、今回切り取った部分からは再発しにくいが、残った部分からはまた発症する口ぶりである。
ピロリ菌は必ず胃の出口から広がるが、その速度は人それぞれでいつ感染したかは分からないらしい。アフラックすなわちアメリカでは悪性新生物しか癌と認めない。今回は上皮内新生物に当たり保険金が全く違うと勉強した。まあ癌になったと落ち込まずに、胃潰瘍を罹ったと思おう。先生も胃潰瘍を作った状態と言った。粘膜再生まで二か月は刺激物禁止の胃薬必須なのだ。