なんのために、自己啓発本を読むのか
前に付き合っていた人から「自分が良いと思ったところだけ納得して読んでいたら、新しい価値なんて読み取れないじゃん」と言われたことがある。
当時は「そんなことないよ」なんて強がって言ってみたけれど、今思うと存分にそんなことある。
社会人になりたてで、とりあえず自己啓発本をたくさん読んでいた時だった。
「この筆者の言ってることは納得できるな」と感心しながら読み進めていたことは、もう既に自分の中の価値観として持っているものだった。
反対に、この筆者の言ってること訳わからないなぁって思ってしまうと、この本はつまらない、タメにならない本だと判断していた。
読み方を間違えていたのだ。
自己啓発本は、自分が納得できないことこそ、取り入れなくてはならない。行動に起こすかどうかは置いておいて、自分とは異なる考え方もあるということを理解しなくてはならない。
僕は、同じようなことを言ってくれる人を探して喜んでいただけだった。自分は間違っていないんだと再確認するための読書だった。
もちろん、その行為自体は悪いことではない。本を読む目的が自己を肯定するためという人もいる。
けれど、僕は、あらかじめ持っていた価値観を確かめただけで、何も変わってはいなかったのだ。
たちの悪いことに、自己啓発本を1冊読み終えると、あたかも自分は変わることのできた素晴らしい人間だと錯覚してしまう。
大事なことは、新しい価値や考え方を取り入れて、行動に移すことなのに。
自己満足で読書をしていたことが分かる。成長をするということは大変なことだと改めて思う。
何冊か自己啓発本を読むと、結局同じことが書かれていることに気づく。導入やあらすじが違うだけで、結局のところ「自分で考えて、行動に移しなさい」ということを言っているだけだ。
成長する方法なんて、結局のところそれだけだ。
それができない人が、この世にはたくさんいるから、自己啓発本が溢れかえる。
納得ばかりしてないで、前に進もう
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