契約書に現場の声！？
介護施設や介護事業所で、利用者の所有物の紛失や破損、故障は職員にとってもかなり精神的に応えます。信用問題にも繋がりますし、利用者の所有物の取り扱いについて、契約書にもっと明確に盛り込むべきではないでしょうか。
1.契約書を見直す
入所施設では利用者さんの、所有物を取り扱わなければならない事が少なからずあります。衣服なんかは常に触れる事になります。
時には医療器具のような、高価なものを取り扱わなければならない場合もあります。
入所時の契約書で極力、所有物の取り扱いの条項を付けるしかないと思います。数も多いので、日用品をある程度分類する事は必要だと思います。
故障破損、紛失の免責事項や、管理不可能な物の取り決めは必須でしょう。逆にどのような場合、損害賠償に値するのか。消耗品などについても取り決めがあると安心です。
利用者の所有物の取り扱いにおいて、契約書にしっかりと落とし込んでほしいものです。
2.契約書に取り決めがないと案の定、面倒が起きる
利用者さんによって所有物も様々です。当然、一色淡に取り決めを作るには無理が生じますのである程度、日用品を分類した上で線引きが必要になります。
電子機器、衣類、文房具、金銭、財布、書籍、自助具、日用品、電機シェーバー、その他雑貨等、全てに関しての取り決めを作る事は不可能でしょう。
どこかで分類して、一線を引く必要はあると言う事です。
2-1.紛失して職員で弁償したパルスオキシメーター
障害者支援施設に勤めていた時に、利用者個人のパルスオキシメーター（血中酸素濃度を測定する機器）が２回立て続けに居室からなくなったといった事がありました。
寝たきりの利用者さんでしたので勿論、紛失したのは職員だと思います。
そういった理由もあり職員全員で２千円づつ支払って弁償をしました
勿論、こういった事は普段は起きませんし職員としてはで私含め釈然としませんでした。
勿論これは、施設側で利用者の所有物に関して何の取り決めもなかった所に問題があります。
施設にもパルスオキシメーターがあるので、自前のパルスオキシメーターの使用をお断りするべきとも考えられます。契約書に紛失の免責事項もありません。
現場職員も小さいものなので、紐をつけてベッドにくくるなどの対策もすべきです。
2-2.【介護施設あるある】ウールのセーターが縮んだ問題
洗濯時のお洒落着洗いも介護施設でよくあるクレームの一つです。
契約時に衣類の特例として
・ウール類の持ち込みをお断りするのか
・ウール類は縮む事をご了承いただくのか（免責）
といった事が説明や条項に盛り込まれていない事が問題です。
3.現場の声を契約書に反映！
利用者の所有物ですから、確かに丁重に扱わなければなりません。だからこそ、契約書にしっかりと条項を盛り込む必要があるのですが。
契約書はお互いを守る為にあるものです。問題が生じた時に効力を発するのが契約書です。そして、問題が生じるのは現場です。
従って、現場の声を契約書に反映しない理由はないと思います。
ケアプランも本人（家族）の意向とケアマネージャーの考えのみが反映されて、現場の介護士に戸惑いや困難が生じる事は多々あります。やはり現場の声を取り入れてないからといえるでしょう。
