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アゲハ蝶と柳家小さん(2023.08.26)

7時。長男に起こされる。「工作やろう」っつって。

なぜ工作がしたいかというと、今日中に夏休みの宿題を終わらせれば夜にカブトムシ・クワガタがよく採れる例の「素晴らしい木」に連れて行ってあげると昨夜私が言ったからだ。

だもんでやけに熱心に私を工作に誘う長男。感心だが、私はもうちょっと寝たい。しかし仕方なしに起きる。

朝の日課として幸子(ポメラニアン♀)を連れて散歩に出かける。長男も着いてくる。そしてその途中でサナギからふ化したばかりのアゲハ蝶に遭遇する。

羽を乾かしているアゲハ蝶

大喜びで眺める長男。ふ化したばかりの蝶なんてめったに見れるもんじゃない。私は思った。「おまえよくもこんなところでふ化したよな。こんなコンクリートの側溝の上の低い場所で」と。

私はアゲハ蝶をおおいに応援したい気持ちになった。この、住宅街のしょうもない側溝の上から元気よく大空に羽ばたいて欲しい。

私は写真に撮りたいなと思ったが、生憎スマホは家にきて置いてきていた。「ああ、スマホ持ってきたら良かったな」と私が呟くと、長男はそれは由々しき事態であると言わんばかりに、直ちに家へ帰りスマホを取ってくるべきだと主張する。長男はなんとしてでもアゲハ蝶を写真に収めたいのだ。

私は面倒くさかったものの一旦家へ帰ってスマホを取ってきた。そして写真や動画を撮影しようとしていたところ、柳家小さん(落語家)みたいな丸い顔をしたおじいちゃんが前の家から出てきて私たちに話しかけてきた。

おじいちゃんは幸子を指さして「これはなんですか?」と言う。「いや、少なくとも犬ではあるだろ」と思うが、丁寧に「ポメラニアンなんですよ。ちょっと大きいですが」と答えると「はぁー!黒ですか!珍しいですね!」と感銘を受けたご様子だ。

私はふ化したばかりのアゲ[ハ蝶を撮影しているところだと説明をした。するとおじいちゃんは「クロアゲハですか!」と全然黒くないのにクロアゲハだと言う。私も長男もそこは流した。

そんなこんなでふ化したばかりのアゲハ蝶をじっくり観察できてそれはとても良かったのだが、帰宅後、肝心の工作は全然捗らなかった。下二人に妨害されたのだ。

結局工作も夏休みの宿題も終わらないまま。夜の昆虫採集どころじゃなかった。

ままならんなぁ。

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