成長=良い習慣作り〜「自創経営」その4〜
自創経営のベースには、「脳力開発」という考え方があります。
「能力」ではなく、「脳力」です。
脳力(根幹・全体・原因):すべての人が平等に持つ脳が発揮する力。
能力(枝葉・部分・結果):ある特定の分野や特定の対象に優れた力を発揮し、良い結果を出していく特性。
脳力開発では、「良い習慣」が身につくことが成長である、と定義されています。
人間であれば、誰しも同じ140億個の脳細胞を持っているそうです。
どうそれを使いこなすかに個人差がありますが、これは各人の「脳細胞回路」のでき方の違いによります。
この回路づくりが「習慣作り」ということなのです。
子供の頃、親によく「ちゃんと歯を磨きなさい」と言われました。
皆さんも多分そうではないですか?
今、もし歯磨きをしなかったら、気持ち悪いですよね。
これが「習慣化」した、ということなのです。
私が新卒で入った伊藤忠商事では、入社後、横浜にある独身寮に入ることになっていました。
給料から天引きされる形で日本経済新聞を取らされます(強制)。
毎朝、寮を出るときに、玄関に積んである新聞を取り、1時間半ほど電車の中で読みながら出勤します。
これを毎日繰り返していたので、日経新聞を読まなければ気持ち悪くなるようになりました。
新聞を読むことを習慣化させようという、人事部の作戦だったような気がします(笑)。
習慣化すると、海外出張に行っても、1部確か400円くらいするのですが、購入して読みます。
今は電子版があるので、いつでもどこでも読めるので大変便利ですね。
イチローや松井秀喜など、超一流のプロ選手は、我々が想像できないような練習をする習慣が身についているから、それが当たり前の「超一流」になっているのです。
成長するために、どんな習慣を身につけることができれば良いのでしょうか。
「脳力開発」では、これを3つに分類しています。
第1面「心(主体性)」
第2面「思考力(考え方)」
第3面「実際知識」
です。
第1面「心(主体性)」の姿勢=精神的姿勢の確立
1.自分で主体的にやる姿勢
→「人頼りの姿勢」をやめよう
2.いつも進歩発展を目指す姿勢
→「現状に甘んずる姿勢」をやめよう
3.他人の利益もはかる姿勢
→「自分だけよしの姿勢」をやめよう
これを学ぶ中で、次の事例を読み、愕然としました。
私自身、あまり人のせいにしたりすることはないつもりでした。
原因自分論でいつも考えて実行できていると思い込んでいたのですが・・・。
こういうこと、ありがちですよね。
実は、このE課長も、部下のUさんも、自分では気がつかないまま相手に頼っている「人頼りの姿勢」になっているということなのです。
私も、入社2年後から営業部長(のちにお客様繁盛推進部長)になり、新規開拓にあたりました。
酒販店が免許の自由化や、コンビニエンスストアに転換していく影響で、業界として低落傾向にありますので、販路をスーパーマーケットへ広げようと思ったのですが、当時の社長は大反対。
「味は目方(重さ)で計れない。だからスーパーにはいかない」
と頑として聞き入れてくれません。
多分昔スーパーの方と商談をして嫌な思いをしたのだと思います。
部長だった私は、「スーパーへ行くという方針は正しいはず。いうことを聞いてくれない社長には困ったものだ」と感じたものの、やむなくスーパーへは提案せず、お土産店や酒販店の新規開拓に精を出しました。
でも、いくらやっても、酒販店への売上減少を止めることができず、「仕方ないなぁ、社長の方針が変わらないと」と感じていたのです。
まさしくこの事例と同じく、当時の「社長頼み」になっていたということに気づかされたのです。
そうならない、「自分で主体的にやる姿勢」をつくる、「人頼りの姿勢」をやめるために、何をすれば良いでしょうか。
例として、
グチを言わないこと
人のせいにしないこと
自分のやることを明確にして実行すること
が挙げられています。
強制的に意識して「グチを言わない」。
これを意識して続け、習慣化することで、自然に「自分で主体的にやる姿勢」が身につくのです。
第1面の2.「いつも進歩発展を目指す姿勢」でもおもしろい習慣作りがあります。
それは、「マイナス言葉を使わないこと」です。
特に三禁句「難しい」「困った」「まいった」。
「難しい」と口にすると、どうしても後回しになり、結局やらなくなります。
「難しい」を「やるのに少し時間がかかる」と置き換え、少しずつでも着手することで、時間が少しかかっても実現できる。
そういう考え方です。
第2面「思考力(考え方)」の向上=思考方法の整備
1.中心・骨組みで考える習慣
2.両面とも考え、どちらが主流かも考える習慣
3.立場・観点を整理し、多角度から考える習慣
4.確定的要素から出発して考える習慣
5.行動のつながりで具体的に考える習慣
枝葉末節にとらわれたり、不確定要素から予測を積み上げて意味のないことに時間を費やしたりしがちですので、気をつけなければなりません。
第3面「実際知識」=知識の拡大発展
1.知識はすぐに使う習慣
2.できるだけたくさんの物事に首を突っ込む習慣
3.できるだけたくさんの人に接触する習慣
知識をすぐに使う、という意味では、noteを書くのも有効ですね(ちょっと我田引水)。
伍魚福では、自分の身につけたい習慣づくりのために、
「〇〇のために××する習慣をつくる」という言葉に置き換え、
毎月3項目を決めて、日々○×をつけてチェックする、という活動を行っています。
少しずつでも「良い習慣」を身につけて、私を含め、すべてのチームメンバーが成長できるようにしたいと考えています。