備忘録 13. 心に潜む鬼:陰陽師の世界と私たちの世界
私は、夢枕獏氏の「陰陽師」シリーズを読むのが好きだ。以前、このシリーズの中の言葉『呪』について書いた。今回は、このシリーズでしばしば現れる『鬼』について考えてみた。このシリーズでは、恨みを抱いた人が亡くなったのち、『鬼』になって現れるケースが多い。しかし、私たちの住む世界『現在』では、そのような『鬼』に出会うことは少ない。しかし、生きている人間にしばしば『鬼』のような所業を見ることはある。つまり、現代では(あるいは平安時代の鬼も?)、『鬼』は、生きている人として現れるのではな