備忘録 14. 前だけをみる

あるとき、いつも後悔ばかりしている自分に気づいた。ああすれば良かった、こうすれば別の未来があったかもしれない。日々の生活の中で、後悔することがなんと多いことか。私はいつも、「私の人生は失敗だけで出来ている。」と話している。そして、その失敗は必ず後悔を伴っている。

後悔とは何だろう?過去に起こった、あるいは自ら引き起こした出来事によって、現在、あるいは未来が、良くない方向に動いたことを悔いていることであろうか?
いつもは、その後悔を頭の中に封印したり、忘れたりする努力で、やり過ごしてきた。多くの人々も、たぶんそうするだろう。

 私は、因果応報という考え方が嫌いである。過去に起きた出来事に現在がひきづられているという考え方だ。先祖の悪い行動が、あなたの人生を狂わせているという占いをする人もいるかもしれない。そういう考えも、苦手である。過去と未来は、一対一には対応しない。複雑な過去のネットワークの上に現在が成り立っているので、現在は、過去に起こった特定の何かのせいではない。

それでも、何か失敗をして後悔している自分がいる。そんな毎日を過ごしながら、先日、突然気がついたことがある。後悔することで、無駄に過去を引きずっているようだ。それは、とても無駄な時間に思えてきた。なんともったいない時間の使い方だろう?残りの人生、前だけみて生きようと思った。

今後はできるかぎり、前しか見ないことにしよう。そう考えている。あまり未来を見過ぎて心配するのも問題だが、私の未来はそんなに長くないので、その心配はいらない。過去に囚われてもしかたがない。過去に心を向けるよりは、残り少ない今を生きることに注力したい。数十年の過去は、すべて断捨離することにした。だから、私には新しい未来のみが待っている。