備忘録 17. 大石 静氏の不倫観
文春オンラインで、作家の大石 静氏と有働由美子氏の対談を読んだ。その中に、興味深い箇所が2箇所あった。(注:著作権を配慮し、原文の通りではない。)
有働氏が「平安時代は不倫だらけなのに、今は不倫をした人は、すぐにテレビに出られなくなりますね。」のように問いかけると、大石氏が「良い思いしやがって!という嫉妬心のせいですね」と応えている。
そうか!マスコミが、世の中の不倫を騒ぎ立てるのは、倫理観のためではなく人々の心にうずく嫉妬心が購読意欲をそそることを知っているからなんだ。私はそのことを全く知らなかった。だから、人は自らが不倫をしていても、他人の不倫を許せないと騒ぎ立てことがあるのも当然なのかもしれない。だって、その行動の動機は、倫理観ではなく、単なる嫉妬心なのだから。(本人は、きっと倫理観からだと勘違いしてるが。。。)
大石氏の秀逸なコメントの2番目は、「愛とエロスはちょっと違う」である。大石氏も夫も互いに公認の恋人がいたらしい。でも、嫉妬しないし、互いを第1に考えて暮らしてきた仲良しの夫婦だったと述べている。これは、世の中のドラマや、マスコミの記事で読む様々な愛憎劇とは全く異なっている。でも、これが人間の男女の本来の姿なのかもしれないと、納得する文章であった。
嫉妬する人と、嫉妬しない人とは、その人生がどれほど違うのだろうか?エロスとは違う愛を育む人生とはどんな人生なのだろうか?そんなことを考えたり、悩んだりするには、私は歳を取り過ぎている。でも、こんなに歳を取っても、知らなかったことがまだまだあったことに愕然とさせられたことだけは、事実である。きっとまだまだ知らないことが沢山ある。もうしばらくこの世にとどまって、知らないことをもっと知ってみたいと思わせてくれた記事である。