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好きってなんだろう

現代の日本では、「”好き”が人生を豊かにする」といわれる。

自分にはそんなものない。
だから、
「なんでもいい。他人から認められなくても自分が好きなものを大事に。」という言葉を見かけると、「はあ?口先だけで適当なこと言ってんじゃねえよ。」とあまのじゃくっちゃう。
「金なし、夢なし、彼氏なし」のないものづくしで、好きなものも好きな人もいない主人公が最後は夢を見つけ、イケメンとくっつくドラマにも、「このご都合主義脚本め!」と思ってしまう。(特定のドラマを名指ししているわけではありません。)

何やっても3日坊主で終わり、人間関係や飲み会などに縛られるようになると逃げたくなり、辞めてしまう。
この先、好きなものなんて見つかるのかな、と考える日々。

しかし、ふと気づくことがある。
好きになって10年以上経つものがあることに。
そう。それは・・・

Perfumeです!

CMでポリリズムを聞いたのをきっかけに、ライブDVDの「GAME」の「GAME」で度肝を抜かれ、「エレクトロ・ワールド」で心がガラガラと音を立てて崩れていくのを確かに耳で感じたあの時、自分が好きなものがこの3人であると明確に理解した。
一時期AKBに走り、疎遠になったことを後悔しているが、今となっては関係を維持するのに必要なことだったのかも、なんて思っている。ごめんね、Perfume。

そうして、CDを買い、ライブに参加してきたのだが、なぜ好きなのか説明できない。
聴く者に想像の余地を与える詩も、浮足立つメロディも、もちろんいい。だけど、数多ある曲とどう違うのか、専門家でもないから分析できない。仮に、専門家が説明できたとしても、ほかに似たような人も曲もきっとある。だから突き詰めれば、あの3人でなければ、作り手が中田さんでなければならない理由もないはずだ。

頭ではそう分かっているのに、あの3人が「ぼく」と歌うのを聞いて、心が震えてしまう。
なんなんだ、これは。と自分でも思う。
これが、感動なのか。

何も持たない主人公が、自分で選択して、つまづきながらも好きなものや人を見つけ出す姿に、なんだかんだで「これはこれでいいかも」って思ってしまう。

「なんだ、お前、結局好きなものあるんじゃねえか。」と、読者の皆様お思いでしょう。
すみません。

ただ、「好きなものないの?」とか「趣味あるでしょ?」とか他人に決めつけられるのも、決めつけることもしたくない。窮屈だから。
だから、好きなものがなくてもいい。
他人にとやかく言われることじゃない。
何かを好きになろうと努力する必要もない。
自分の感覚を頼りに歩けば、自然とたどり着く。
好きって、そんなものじゃないかな。

好きは身勝手だ。
自分自身でもどうにもできない。
でも、自分にしか使えない感覚というコンパスで、自分で探し出すからこそきっと面白いんだろう。
感覚を鍛えながら、好きのカケラを日々集めよう。
そうすれば、いつか人に対しても「この人だ!」と思える日が来ると願って、あまのじゃくりに今から出かけてきます。

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