創作は果てしなく◇92歳ばあばの作品
母は毎朝、イラストを一枚、二枚描くのが日課です。
しかしその日はいつもよりかなりたくさん描いていました。
「お母さん、目が疲れるからこんなに描いたらいかんよ」
と言う私に、母は真剣な表情でこう言いました。
「残された時間がそんなにないんじゃけん、頑張って描いたんよ」
数日前に「私が96歳までには後4年しかない」と残念がっていた矢先の出来事です。
日本のファッション業界の草分け的存在だった森英恵さんが96歳で亡くなった事を聞いた母が、自分はその年齢までに後4年しかないと嘆いていたのです。
母は今の自分をしっかり残さなければと思い、イラストを描きました。
今日はその日の母のイラストをご紹介します。どうそ見てやってください。
「私は蝶よ」と一言。
「蝶は夏に飛ぶものだけど、私は秋の蝶」と意味深長な事を語っていました。
くつろぎのコーヒータイムに、ふと目に入った赤とんぼに心奪われているイラストです。目の表情が印象的です。
まだまだ暑さが残る秋のお出かけに、どの傘をさして行こうかと迷う
お洒落心いっぱいのイラストです。
大好きなシャインマスカットを瑞々しく美味しそうに描いています。
ガラスの器がおしゃれです。シャインマスカットの一個一個の輝きを丁寧に描いています。
様々なタッチのイラストを描いて、母はこう言いました。
「私は、これからも頑張るけん、毎日が勝負よ」
何と前向きなおばあちゃんか、92歳の底力を見ました。
【毎日がバトル:山田家の女たち】
《違うタッチで描けたんがよかったわい》
※92歳の母と娘の会話です。
「早起きして朝ご飯を食べた後、今の力試しで描いたんよ、とにかく描ける時に描いておかんと、一枚しか描けん時もあるけんね、同じじゃないもんが描きたかったんよ」
「お母さん仕上がりはどうですか・・・」
「違うタッチで描けたけんよかったわい」
母の執念のようなものを感じました。母にとってイラストは生きがいなのです。
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