見出し画像

好きな事を仕事にできた女性のお話。

私はとにかくこの人のお話が聞きたかったのです。

愛媛県民文化大学で1年間に講演する8人のリストを見た時に、最も興味を引かれたのがこの人でした。

どんなきっかけで、その仕事についたのだろう。
「きっと、若い頃はかなり進歩的だったんだろうな」なんて勝手な想像をしていました。

私が楽しみにしていたのは映画字幕翻訳者の戸田奈津子さんの講演でした。
年に8回開催される文化講演会の講師として愛媛県松山市にやって来たのです。

海外の有名な俳優が来日した時に、隣に寄り添って通訳をする戸田さんの姿がとても知的に見えました。特にトム・クルーズとの2ショットは印象的でした。

数々のアメリカ映画を観る時に、必すと言っていいほど目にしていた戸田奈津子さんの名前。
多くの映画ファンが、戸田さんの存在には一目置いていると思います。

そんな方のお話を伺うことが出来たのです。

講演のテーマは「映画とともに半世紀」
80歳を過ぎた今もなお、映画字幕翻訳者のお仕事を続けているのです。

講演が始まって1時間半、トークは少しも止まりません。
喫茶店で、年下の女性たち数人を前にお話ししているような感じで、気楽に話をされていました
気取りのない自分の言葉で、自由に会話しているような感じです。

好きにことは好き、好ましくないことは好ましくないと、自分なりの考えをきちんとお話しされていました。
ウクライナの話、コロナの話からスタートして映画の話に移行します。

自分は、小さい頃から映画が好きで、その好きなことを今も仕事に出来ているのが幸せだと話されていました。

20代、30代は字幕翻訳者としての仕事には恵まれず、下積み生活が長かったようです。
当時は、学者のような風貌の知識人の男性がその仕事の中心だったと話されていました。

戸田さんが花開いたのは、40代
フランシス・フォード・コッポラ監督の「地獄の黙示録」の字幕を担当してから、本格的に仕事を始め、それから一気に仕事が増えて、以来「ET」「タイタニック」「パイレーツ・オブ・カリビアン」「ミッション・インポッシブル」など1500本以上の作品を手掛けてきたそうです。

一本の作品を翻訳するのに与えられる時間は1週間から10日で、すべて一人で字幕をつけるそうです。
お話の中でとても意外に思ったのは、字幕の翻訳で必要なのは、英語力が2割で、日本語力が8割りだと言うことです。

長い台詞を字幕では短く表記しなければいけないので、どんな日本語でフォローするのかがとても重要で、その時に大切なのが日本語力なんだそうです。目から鱗のお話しでした。


講演の後半で戸田さんが力説されていたことが印象に残っています。
これからの時代に大切なのは、「そうぞう」だと。

「クリエーション」と「イマジネーション」

「創造」と「想像」だとおっしゃっていらっしゃいました。

AIが発達した時代に、機械には出来ない、二つの「そうぞう」が大事だと。

私もこの二つを追求していかねばと思いました。

そして、もう一つ力説されていたのは、「人生はあっという間、その速度がとても早い、だから楽しく過ごすことをお勧めする」とおっしゃっていました。

最後は来日するトム・クルーズの新作映画「トップガン・マーヴェリック」のPRをされていました。

「トム・クルーズという役者が素晴らしいのは、自らが映画を楽しみ観る人にも楽しんでもらうために、スタントは使わず、自分自身が危険なシーンも演じている。今回の映画も、とても危険なシーンを楽しみながら自分自身でチャレンジしている。是非そこを確かめて欲しい」と熱く話されていました。

時間通りにビシッと占める、お見事な講演でした。
私は知的で気持ちの良い人物象に触れて、またまた戸田奈津子さんのファンになりました。


【毎日がバトル:山田家の女たち】

《お顔に品があるね》


「あんた実際にお話が聞けて良かったねー、講演会に行って良かったがね、画面を通してみるんと、実際に見てエネルギーを感じるんは違うけんね、生のお話からは得ることが多かったじゃろ」

「今80代の人は、女性として頑張るのにものすごいパワーが必要じゃったと思わい」

「ほうよ、昔は男社会じゃったけんねー」

80代半ばになってもなお、現役で活躍している戸田奈津子さん、本当に素敵な女性だなと思うと同時に、羨ましいなと思います。


ヘップバーン銀幕に咲く白きバラ

母に映画の俳句を書いて欲しいとお願いすると、このイラストと俳句のコラボ作品を創作しました。
母は「数多くの女優さんがいる中で、私はヘプバーンが一番好き」と言っています。
気品と可愛らしさとほんの少しの小悪魔性、こんな女優さんは唯一無二だと言いながら、イラストを仕上げていました。
私も、世代を超えても愛される魅力的な女性だなと思っています。


最後までお読みいただいてありがとうございました。
たくさんある記事の中から、私たち親子の「やまだのよもだブログ」にたどり着いてご覧いただき心よりお礼申し上げます。
この記事が気に入っていただけたらスキを押していただけると励みになります。

また明日お会いしましょう。💗

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?