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家族としての役目を果たす
東京に住む妹が里帰りした時に、息子に対して口を酸っぱくして、言っていることがあります。
「ご先祖様のお墓参りはどこにいてもお願いね、お墓の場所は絶対に覚えといてよ、お母さんもここに入るんじゃけん」
彼が小学生の頃から妹は息子にこう言っていました。
私は長女ですが未婚なので、将来我が家の墓守(はかもり)は甥っ子しかいないのです。
妹は私以上に先祖への思いが強く、毎年里帰りをすると、何をおいてもお墓参りを欠かしません。私はとても良くできた妹だと思っています。
しかしコロナ禍もあって、妹家族も帰省出来ず、私達親子も密を避けるために今年は春の彼岸のお墓参りを控えていました。
母は亡くなった父に申し訳ないという思いを持ち続けていて、秋の彼岸にはどうしてもお墓参りに行きたかったようです。
私は足が弱っている母を見て、一人で出掛けるつもりでしたが、母はどうしても行きたいといい、気合いを入れて念願のお墓参りに出かけました。
久しぶりのお墓は、しきみは枯れ、水を入れるために置いていた湯呑みはどこかに消えていましたが、母はやっとお墓参りが実現出来たことで、とても安心し、お経を上げる声が一段と力強くなっていました。
帰りは母の負担にならないように、タクシーで移動するつもりでしたが、母は少し歩いても平気だから、久しぶりにバスで移動したいと、物凄く元気になっていました。
「ご先祖様からパワーを頂いた」と嬉しそうです。「お墓参りはやっぱりありがたいわい」と顔にも力がみなぎっていました。
私はふと考えました。
私がいなくなった時、都会に住む甥っ子がお墓参りにここまで来るのは本当に大変だと思います。でも3年か5年に一回くらいはお参りして欲しいなと思う欲張りな自分もいます。
核家族化の上に少子化の今、先祖のお墓参りなど家族としての役目を果たすのは本当に難しい時代になりました。なので、わがままは言えないですね。
【毎日がバトル:山田家の女たち】
《墓守するんは大変よね、これからの時代》
鯖の煮つけをおかずに食べた夕食後にばあばと。
「生きている証にやっぱりお墓参りには行きたかったんよ、実現してよかったわい、何か元気が出た気がするんよね」
「お母さん、これからお墓を守っていくんは大変じゃねー」
「私は先のことは考えんけど自分が、出来るうちはしっかりしたいね」
母がお墓参りが出来る幸せを感じています。本当に元気で頑張って欲しいです。
【ばあばの俳句】
帰り道虚ろな一歩秋の暮
母が虚ろな青年のイラストを描きました。俳句のイラストで男性の姿を描くのはとても珍しいのですが、その虚ろな表情が秋の暮の帰り道にマッチしているなと思いました。
秋は何故かふと物思いにふけるものです。その独特の空気に浸りながらぼんやり歩いていることがありますよね。不思議な季節です。
最後までお読みいただいてありがとうございました。
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私のアルバムの中の写真から
また明日お会いしましょう。💗