マクベスを観た。
初めて「マクベス」を見ました。劇団東演の舞台でした。
劇団東演との交流で数々の作品を演出してきたモスクワ・ユーゴザパト劇場の演出家V・ベリャコーヴィッチが急逝したため、その演出を元に現芸術監督と日本人のスタッフで作り上げた舞台です。
マクベスはシェークスピアの四大悲劇の一つである事は知っていました。「ハムレット」「オセロ」「リア王」そして「マクベス」です。
深い知識もなく舞台を観終わって、ストーリーはよく呑み込めました。とても分かりやすい舞台でした。役者のセリフが明瞭に観客に伝わってくるのです。
そこからも役者の鍛錬を感じました。
勇猛果敢だが小心な所もある将軍マクベスが妻にそそのかされ国王を暗殺、そして王になり、自分の地位を失う恐怖から罪を重ね錯乱していきます。
そこで重要なのが森の中で出会う三人の魔女の予言です。
舞台のセットには巨大な四枚の扉があり、それを主に不思議な魔女が開け閉めするのです。その扉の開け閉めが、時間移動になっていました。
戦闘のシーンなどで多くの出演者がその扉を出入りすることで、スピーディーにスペクタクルシーンが展開されていました。素晴らしい演出だと思いました。
私が特に印象深かったのは舞台の冒頭シーンから重要な役割を果たす三人の魔女の姿です。ロシア人の俳優が演じていました。
鍛えぬいた美しい筋肉を持つ男性たちが背中の筋肉と腕の動きだけで、魔女の持つ不可思議で奥深い奇なるものを表現します。魔女は不思議な仮面をかぶって理解不能な言葉を発しますが、その言葉を影のような存在の日本人の役者が訳すのです。よく考えられているなと思いました。
魔女の存在が今回の舞台では常に人間の善と悪を語る役割でいたように思います。
舞台の衣装も素晴らしく、戦いのシーンで顔を覆う金属に見えるメッシュのような被り物もとても興味を惹かれました。
多くの集団が扉を出入りするスペクタクルなシーン、そして美しい青いライトと赤いライト、上半身裸の魔女の動き、印象深いシーンは演出家V・ベリャコーヴィッチの意図するものだったんだと思います。
何だかもう一度見たいそんな思いに駆られました。
劇団東演のマクベス、お近くで観劇する機会があれば是非ご覧になってみてください。
【毎日がバトル:山田家の女たち】
《リア王は見たんじゃけど・・・》
夕飯を前にしたばあばと。
「悪い事をしてはいけない、人は誠実に生きるべき、それを教えとるんじゃか、私は正しく行きたいと思うよ」
「お母さん、お芝居最近は観て無いねー」
「ホント芝居は長い間観て無いわい、リア王は見たんじゃけどね、観に行きたいけど長い間座れんけんね、ほじゃけどあんたの話を聞いて、勉強になったよ」
芝居はその時々自身の状況でも観劇した後の感想や余韻が違います。それがまた芝居の面白さだと思います。
【ばあばの俳句】
物語胸にささりてそぞろ寒
母にマクベスの話をしたら私の感想を聞いて母が詠んだ句です。イラストのシーンはマクベスとマクベスをそそのかす妻の姿です。
ひとの善と悪は一瞬の内に覆されるのです。常に自らの正しい道を歩まねばと思うお芝居でした。
母は私が買って帰ったリーフレットを見てこのシーンを描いてくれました。マクベスが若々しく美しく描けています。
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