情報を自分なりにキャッチする
91歳の私の母の話をさせていただきます。
母にとって情報を得るツールはテレビと新聞です。彼女は90歳を過ぎてからニュースの見方がより深くなりました。新しい趣味を見つけたことで頭がこれまで以上にクリアになったからです。
それまでも新聞は毎日見ていました。見出しをチェックすることでその日のニュースは何となく分かっていたと思います。特に一面と文化面をしっかり見ていました。
テレビのニュースからは、映像と字幕で情報を得ていました。音声は耳が遠くなったので十分聞けていなかったかも知れません。
そんな母が、90歳を過ぎてイラストを描くことに目覚め、毎日手を動かすようになってから彼女の脳細胞が活性化されたのか、ニュースを理解する速度も量も大幅に上がってきました。
90歳を過ぎてからは、新聞は隅々まで音読し、意欲的に情報を吸収しようとしているのが分かります。社説や社会面をじっくり見るようになり、特に自分の趣味の俳句やイラストを描くヒントになりそうな、季節の変化を知らせるトピックスはしっかり読み込むようになりました。そしてそれを俳句やイラストに生かしているのです。
その上、最近はテレビの音量がより鮮明に聞こえる拡音器を使うようになってアナウンサーの声もしっかりと耳に届くようになり、毎日のニュースを食い入るように見ています。母はニュースにとても敏感になりました。
母が今一番気にしているのは日々のコロナ患者の推移です。聞き漏らした時には「今日は何人だった」と私に聞いてきます。
最近はそんな母とよくニュースの話をしています。いろいろなニュースソースら得た情報を頭において、その日のニュースをリビングで井戸端会議的に話すのです。
【ある日の親子の会話】
この日は成人年齢が18歳に引き下げられたことについて話しました。
母は新聞やテレビニュースの報道で基礎的な知識はキャッチしているようでした。
<成人年齢が18歳に>
「お母さん、成人年齢が18歳になるんじゃと」
「私は犯罪が多くならんか心配なんよ、18歳が騙されたりすることが 増えるんじゃないかと思うんじゃけど」(母)
「18歳が、成人としての精神年齢に到達してないけん心配なんかな」
「それは人によって違わいね、18歳もいろいろよ、しっかりしとる子も居ったら幼い子も居るけんねー」(母)
「海外では、とっくに18歳を成人にしとるところが多いみたいよ」
「そうらしいね、世界に準じたんかねー、私は国が若者にも社会を支えて欲しい言うんと、政治的に選挙権を与えたかったんじゃないかと思とんよ」(母)
「お母さんはそう思うんじゃね、成人が18歳になったことで、これからはどうすべきじゃと思う」
「教育せんといかんわい、正しい教育を」(母)
「それは、どんな教育」
「世の中のお金に関する事にその子らが引っかからんように教えていかんとね、簡単にローン組んだらいかまいがね」(母)
「お母さん、犯罪を犯したら実名報道になるんよ、18歳、19歳言うて許されんようになるけんね」
「だから、成人する言うことはどんなに責任がある事なんか、親も社会もきちんと教育してあげんといかんという事よ、18歳に今日から成人よ言うてもかわいそうじゃわい」(母)
「お母さんよう分かっとるね」
「あんた、私は新聞もテレビも適当に見て無いんよ、ちゃんと見比べよったらいろんなことを教えてくれるんよ、一つのことも色んな側面があるけんね、すべてええとは言えんわい」(母)
母の言う通りだと思います。
新聞やテレビ、インターネットのニュースからは情報が溢れています。それらの情報を精査して、生活者として正しい情報を見極めるために、私たちは見識を磨かなければいけない思っています。
【毎日がバトル:山田家の女たち】
《ニュースを知っとくんは大事なんよ》
「最近はコロナやウクライナの侵攻で暗いニュースや怖いニュースが多いけど、私は花鳥風月のニュースで緩和しよるんよ、災害のニュースからは自己防衛を学びよるしね」
「ニュースを知るんは本当に大切じゃと思うね」
「あんたはネットのニュースもよう見よんじゃろ」
「もちろん」
「情報量が多い方が多面的にいろいろ考えられらいね、あんた私の知らんことは教えてくれんといかんよ」
91歳は情報に貪欲です。母はニュースを知る事が幾つになっても生きる力になると思っているようです。
混沌の日々のニュースや冴え返る
母は、情報を一生懸命キャッチしようとしている娘の姿を詠みました。
混沌としたこの時代に、私たちが日々目にするニュースは、心穏やかでいられないものがたくさんあります。
コロナ患者が少なくなったかと思えばまた増えたり、不安な世界情勢に心が翻弄されています。
春の天気と同じのように、くっきりと晴れ渡りさわやかであったかと思えば、一気に寒さがぶり返したり、落ち着くことがありません。
少しでも明るいニュースが多い世の中であって欲しいと思うばかりです。
最後までお読みいただいてありがとうございました。たくさんある記事の中から、私たち親子の「やまだのよもだブログ」にたどり着いてご覧いただき心よりお礼申し上げます。この記事が気に入っていただけたらスキを押していただけると励みになります。
また明日お会いしましょう。💗