かまぼこ板に描く🤍SDGsな美術展
母が私に言いました。
「あんた、かまぼこ買ってきてや」
「お母さん、かにかまがあるけん、まだええんじゃない」
「私は、かまぼこの板が欲しいんよ」
「お母さん、今年もまた出すんかねー」
母は、かまぼこが食べたいのではなく、かまぼこの板が欲しかったのです。
愛媛県西予市城川町の小さなギャラリー「ギャラリーしろかわ」で毎年公募している”全国かまぼこ板の絵展覧会”の募集が始まったのです。
その美術展のお約束は、かまぼこの板がキャンバスであることです。
今年で28回を迎える「全国かまぼこ板の絵展覧会」は、応募したすべての作品がギャラリーに展示されます。その数はおよそ1万点です。
母は昨年初めて応募しました。
去年は筆ペンを使って、白黒の作品を描いて出品していましたが、今年はカラーの筆ペンを使って色を加えた作品を出そうと頑張っていました。
この美術展はプロ、アマ問わず、未発表のものであれば、一人何作品でも応募できるので、母は何枚も描ていました。
その分、私たちはかまぼこを食べました。
「お母さん、楽しい」
「あんた、かまぼこ板は小さいけん難しいんよ、筆ペンでは描きにくいし、色も滲むけんねー」
「お母さん、去年は色が無かったけど、今年は色がついたねー」
「色があった方が目を引くけんね、頑張って塗ってみよるんよー」
母は楽しそうに小さなかまぼこ板と向き合っていました。
「あんた、だいぶ描いたよ」
「ホントよ、作品だいぶできたねー」
「楽しかったわい」
「かまぼこを食べた後のかまぼこ板がキャンバスになるんじゃけんねー」
「あんた、素晴らしいじゃろ、これSDGs言うんよねー」
「お母さん、よう覚えたねー、ほーよSDGsよ」
小さなかまぼこ板をキャンバスに母らしい作品がたくさん出来上がりました。
捨てるはずだったかまぼこ板が、小さな美術作品に生まれ変わるなんて、本当に素敵なSDGsだと思います。
【毎日がバトル:山田家の女たち】
《出品作品は全部展示されるけん》
※92歳のばあばと娘の会話です。
「出した作品は全部展示されるけん、嬉しいねー、心を込めて楽しんで描いたんよ」
「2年目になったら違う?」
「去年は墨の濃淡じゃったけど、今年は色を付けて描けたんが物凄く嬉しいわい、乾いたらまたちょっと違うんよ~」
描く楽しみ、見てもらう楽しみに加えて、それがSDGsに繋がるなんて、本当に素敵な展覧会だと思います。
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また明日お会いしましょう。💗