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第23回京都検定の一日「夕暮れの今出川通と大原口道標」


『光る君へ』第5話観ました。

ザブングル加藤さんがセリフなしのちょい役でご出演されていましたね。大変嬉しかったです。闇営業による謹慎。コンビ解散。レギュラーなしCMなしSNSやってない俺は無敵だとお笑い向上委員会で暴れまわり、ずっと苦汁を嘗める日々が続いていましたが、最近は国家資格の宅地建物取引士に合格し大河ドラマ初出演。七転八起。人生何が起きるかやっぱりわからないものですね。ずっと苦労されてきた方なのでこれからも応援したいです。


時刻は15時10分。

京都検定試験の制限時間は90分ですが、退室可能時間が設定されていて早く解いた人は教室の外に出ることが許されます。再入場は不可なのでトイレは事前に済ませる必要があります。

今回手応えアリだった私は見直しも済ませ残り20分を残して退室しました。連れや仲間を待っているのでしょうか、ロビーの椅子やベンチに座っている人がそこそこいらっしゃいました。


あんなにいい天気だったのに気づけば空が雲に覆われていました。またここに来る機会あるのかな。

若干の寂しさを感じつつ受験会場を後にしました。


さあ試験終わったことだし寄り道するか。

あら?閉まってる。


三時知恩寺さんじちおんじ
浄土宗の尼門跡寺院(代々皇女や摂関家息女が法脈を継いだ寺院)である。
十四世紀半ば、後光厳ごこうごん天皇皇女見子内けんしない親王によって創立された。内親王は深く仏教に帰依し、宮中に安置されていた唐の善導大師像を当寺に賜った。崇光すこう天皇の旧御所・入江殿を賜って寺院に改めたことから入江御所とも称される。
厚く浄土宗に帰依した後柏原天皇(在位1500-1526)は、国の平和と国民の安泰のため、宮中で善導大師の六時礼賛(一日六回礼賛を行う法要)を勤められた。そのうち昼の三回は当寺で勤修するように定められたことから、寺号を三時知恩寺としたと伝えられる。以来、皇女が相次ぎ入室され、明治維新に及ぶ。
天明八年(1788)の大火で堂宇は焼失し、現在の堂宇は桃園天皇女御・恭礼門院きょうらいもんいんの旧殿を賜り再建されたものである。
なお、善導大師像は秘仏で、毎年三月十四日に開帳される。

京都市

三時知恩寺さんです。新町キャンパスの側にあることは事前に調査していたのですが通常非公開とはつゆ知らず。こういうところがダメダメな私です。

尼門跡寺院について少し説明したいと思います。『光る君へ』では天皇家や藤原家の娘たちがたくさん登場していますよね。受戒した彼女らを受け入れるお寺が尼門跡寺院になります。格式はとても高く、三時知恩寺の入江御所、宝鏡寺の百々御所、霊鑑寺の谷御所が京都では有名です。

格式といえば他に京都五山や近代社格制度がありますが、権力が指標であって財力や民衆の支持は考慮されません。大徳寺や妙心寺などの反主流派は林下と呼ばれ蚊帳の外に置かれた時代もありました。何を持って格とするのか。身分の違いがテーマの大河ドラマを観ていると色々と考えてしまいます。


門跡の看板に差す影が現在の時を示しています。


烏丸今出川交差点に戻ってきました。


  1. 来た道戻る京都市営地下鉄ルート

  2. 徒歩で節約今出川通エコルート


さあどう帰ろう。

楽なのは1番ですが私はあえて2番を選択しました。京都市営地下鉄の場合、一旦烏丸御池で乗り換える必要があります。迂回ルートは環境的によろしくありません。ゴメンナサイ。良い子ぶってしまいました。1番は630円。2番は450円。1.2km歩く必要ありますが前者は180円節約できます。これが私のドケチ道です。


しばらくして今出川御門が見えてきました。

歩くルートを選択したのは京都御苑の景色をちらりと見たかったというのもあります。地下鉄だと京都を感じられませんからね。


夕日に照らされる紅葉。ついつい立ち止まり見入ってしまいます。


ファミリー層にも人気の京都御苑。道路標識も京都の景観に合わせてほしいな、なんて思ったり。


京都御苑を過ぎ、真如突抜町付近を通過したあたりで史跡を発見。こちらの石碑は京都上京区史蹟百選の一つであり、京都で最も優れた美しい道標と呼ばれている大原口道標になります。

古道が残る街・枚方市にもたくさんの道標がありますが、これほどまでに大きくて彫りがしっかりしている道標は見たことがありません。


大原口道標で注目すべきは西面下部の部分。明治初期に内務省が測量のために"不"の文字に似た号水準点を刻みました。


道標って歴史的背景を考察すると結構面白いんですよね。

江戸時代以前の移動手段は徒歩が主流だったからこのように地表近くに石碑が立てられました。自動車が主流になった戦後以降は遠くからでも視認できるよう高い位置に道路標識が立てられています。車を持たない私は今の道路標識よりも昔からある石造りの道標に愛着が湧きます。


いつも早朝に出発して昼間に帰り支度を済ませる私。こんな時間の京都を歩くのはすごく久しぶり。日曜日の夕暮れ。約1kmの道のりでしたがそんなに悪いものではありませんでした。

次回はシリーズ最終回。鴨川デルタを眺めつつ京阪出町柳駅へ向かいます。



今回のルート

©Google Map


追記

『日本史がすき』応募作品の中で、スキの週間一位を獲得しました。皆様ありがとうございます。感謝!!

2024/02/13


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