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シード期のLeanerに入って3年頑張り続けている2つの理由(そしてこれからも頑張る理由)

調達のスタンダードを刷新する会社、Leanerでエンタープライズセールスをしている山下です。

シード期のLeanerに5-6人目くらいでジョインし、3年4か月経ちました。(2020/8~)

Leanerに入ってから、ほぼノンストップでここまで来て振り返ることはなかったですが、改めて「なぜLeanerで頑張り続けているのか、これからも頑張っていこうと思っているのか」を言語化しようと思います。

Leanerに入ったときは、
調達購買の領域なんてまったく知見がないし、
純粋な営業経験も未経験、
初期からエンタープライズを狙っているSaaSの事業開発経験なんて当然ない

こんな状態でしたが、僕は基本的にデモチすることなく、3年以上ずっと頑張ってこれています。今後も日本の調達のスタンダードを刷新するまで頑張ることはやめないでしょう。

僕がこれまで頑張って来れた理由と、これからも頑張る理由は、いろいろ振り返った結果、結局2つに収斂するなと思いました。


調達購買領域の闇が深すぎる、闇を照らさないと日本経済は良くならないという使命感

調達購買っていう領域って、多分ほとんどの方がよく知らない領域だと思ってます。
特に、スタートアップやIT業界にいる人はほぼ聞いたことないと思います。自分が所属している企業で、何かモノやサービスを買ったことがある経験がある人もかなり少ないのではないでしょうか?

元々新卒でメーカーにいた私でも、部署として結構遠い部門だったので、その重要性や実際の業務については全然解像度が高くなかったです。

でも、調達購買は、企業の利益率を決めていると言っても過言ではない、超超超超重要な部門なんです。
実際、今弊社のメイン顧客となっている製造業だと売上の60-70%は、外部から何かしらの材・サービスを調達しているコストです。(人件費は10%程度)

製造業の利益率は平均4%くらいなので、利益へのインパクトで言うと、1億円のコストを減らすこと=25億円の売上を作ること、と同じです。

製造業以外でも、売上の30-40%程度は外部から何かを調達しており、基本的にあらゆる企業で「調達」という活動は行われています。
スタートアップ企業でも、社用携帯やPC、普段利用するSaaS、マーケや販促費用もすべて外部から調達しているわけです。

良い製品・サービスを出せば売れた時代は終わり、簡単に売上を作るのがどんどん難しくなっている昨今、企業がしっかりと利益を確保するためにテコ入れすべきは、明らかに調達購買です。
それなのに・・・とても深い闇が調達購買を覆っています。

今メイン顧客となっていて、購買量の多い製造業の調達における闇を一部紹介します。

調達部門の闇その① 業務量に対して少なすぎるリソース

調達部門は利益創出に対して、非常に重要な部門です。当然、売上を司る営業や生産部門と同程度のリソース配分がされていてしかるべきだと思いますよね。
ところが実態は全然そうじゃないです。私がお客さんにお話をお伺いしている感覚、調達部門の人数は、営業や生産部門に対して10-20%くらいしか配置されていません。
企業経営における重要性に対し、明らかにリソース配分が少なすぎる調達部。当然そこで働く人々は業務負荷は非常に高くなっていて、みんな疲弊しています。

実際、会社によっては調達購買部門は全部門の中でも1,2位を争うくらい残業時間が長い部門だったりします。

そのため、利益創出に重要なコストダウン活動にかけられる時間は、1日の10-20%程度しかありません。


調達部門の闇その② 求められる知識多すぎ問題

調達購買部門は、ただ安いものを買ってこればいいわけではありません。「高品質でコスパがよい」が長らく日本の製品の特徴でしたが、これを実現するためには、調達品が「安かろう・悪かろう」ではよくないですよね。

なので、製造業ではQCD(Quality:品質、Cost:コスト、Delivery:納期)の3要素を重視してモノを買います。
口で言うのは簡単なんですが、これを実現するためには、下記のような知識が必要になり、生半可な努力ではできません。

品質・技術的な知識は当然のこと、お金を扱うわけですから法務や財務の知識も必要、適正な価格で買うためのサプライヤーとの交渉ノウハウやコミュニケーションスキルも必要です。
前後の部門と連携して動くこともあるので、プロジェクトマネジメント力も求められますね。

どう考えても、1部門の1担当者に求められるスキルを超えています。これ全てできてる人はマジでスーパーマンです。

調達部門の闇その③ 業務フローはExcel・メール・紙

業務量が多い×求められる知識量が多い という二重コンボに悩まされている調達部門ですが、驚くことに業務フローはほとんどと言っていいほどシステム化されていません。

サプライヤーとの見積のやり取りはすべてメール、見積書はPDFやExcelで回収し、手動で比較表を作って相見積もりの比較をしたりしています。
(古い会社だと、まだFAXもバリバリ現役だったりします)

サプライヤーとのタッチポイントがすべてアナログ、かつ個人管理なわけですから、
「昔ってなんでこのサプライヤーに発注決めたんだろう?ほかに相見積もり取ったことないのかな?」
「なんで今買ってる部品ってこの価格なんだろう?どういう価格交渉をしたのかなあ・・・」
「前任の担当者が辞めちゃったから、この部品の適切なサプライヤーが全然わからないな。とりあえずググって見積取るか・・・。」

みたいな感じなんですよ。ヤバくないですか?

業務がシステム化されていないので、当然KPI管理なんかもできるわけがありません。
利益を〇%増やす、みたいな目標を立てたとして、
現時点ではいくらギャップがあって、
どの部品のコストダウンを何%成功させたら目標達成するのか、
コストダウンのネタがあるのはどの案件か、
その案件の進捗はどうか、
みたいな話が一切ブラックボックス
なわけですよ。

これでは、製造業が得意中の得意とする、カイゼン活動(プロセスを細かく分解し、ボトルネックを把握して改善することで成果を最大化させるアプローチ)ができないです。

一番わかりやすい例えは、CRMの入っていない営業部門 と同じ状態です。

そして、驚くことにこの領域には、SaaSがほとんど存在しません。
外資の超高価×ユーザビリティ激低なものを除いては、マジでLeanerくらいしかマーケットにSaaSという選択肢がないです。

一応オンプレでカスタマイズ前提のパッケージはあったりしますが、要件定義や構築に5年とかかかるので、DXが叫ばれている昨今、この選択肢を選ぶ人はほとんどいないのが実情です。

調達部門の闇その④ 「調達はできて当たり前」という風潮

①~③まで書いたように、

・とても少ないリソースで
・超絶難易度の高い業務をこなしていて
・IT投資は全然されておらず、すごく低い生産性の中で頑張っている

のが調達部門なんですが、社内での評価は「QCDの良いものを買ってくるのは当たり前だろ?」という感じ。

買ったもののトラブルがあった際に減点されることさえあるものの、「コストダウンに成功しました!納期通り良い品質のものを納めました!」が評価されることは非常に少ないのが実情です。

これでモチベーション上げて働け!という方が無理だろ、と思うのですが、日本の調達部門の方々は、皆さん真面目で、プロフェッショナリズムを持ち、日々自社のモノづくりを支えるために奮闘されています。
(前世でどんな良い行いをしたら、そこまで素晴らしい振る舞いができるのか?というくらい凄いです。本当にリスペクトしかないです。)

ーー

さすがにこの闇を祓うまでは、僕は諦められないです。

製造業は日本のGDPのおよそ20%を占めていますし、対外輸出も80%以上は製造業が作った製品です。

品目別輸出割合 経済産業省より

製造業の調達を強くし、良いQCDの製品を作ることができ、海外に製品を輸出し貴重な外貨を稼いできて、製造業に従事する人が日本のサービス業でお金を使うことができれば、日本経済は必ず上向くと思っています。

今のところ、これより日本経済に大きなインパクトを出せる領域を僕は知らないです。

今は製造業に注力していますが、調達という活動はあらゆる業界で発生しており、企業が調達している流通総額は1,000兆円を超える規模であり、そのEC化率も35%程度しかありません。(※経済産業省 電子商取引に関する市場調査 より)

Leanerは将来的に、あらゆる業界の購買活動をデジタル化し、BtoBであってもBtoCと同じように「いつでも、簡単に、欲しいものが、欲しい条件で」買える仕組みを作りたいと思っています。

調達購買の領域のペインを解き、日本経済を復活させることに人生をベットしてもいいかな、と思ったので、マジで何もなかったLeanerに入って3年必死で頑張ってきて、これからも誰よりも働くつもりで頑張る予定です。


全員がピュアにコトに向かっていて、ノーストレスな組織

もう1つの大きな理由は、メンバー全員がbizもdevも関係なく、コトに向き合っていることですね。

コトに向かうとは、仕事をする際のベクトルが誰かからの評価、昇進、給与、キャリアアップといった自分だけの内側に向いているのではなく、顧客のサクセスや事業の成長、世の中の変革、といった外に向いていることですね。

※コトに向かう、についてわかりやすい記事は下記

この姿勢が共通してるので、僕にとってはノーストレスで事業と顧客だけに向き合っていることができます。

・どうやったら顧客をもっとディープサクセスに導けるか
・顧客のニーズをさらに多く解決できる機能は何が必要か?
・どうすればリードタイム早く受注し、顧客を早く改革に導けるか?

このようなことに集中できるのは、全メンバーがコトに向かっているからで、周囲のメンバーには感謝しかないです。

bizとdevの連携については、エンジニアメンバーのnoteが分かりやすいです。

https://zenn.dev/leaner_dev/articles/7247da2c607f56


他社さんと話しててよく聞く、
・各メンバーのモチベがバラバラで、向かう方向を統一するのに苦労する
・社内でバリューがなかなか浸透しない
・部門間の連携がうまく取れず、調整に難儀する

こういう悩みが一切ないんですよね。

個人的にはこの環境が一番の福利厚生だと思っています。

前職も前々職も、様々な理由でシンプルにコトに向かうことだけやる、ということはなかなか難しかったですから。

最近代表の大平も弊社の組織作りに関するnoteを出していました。バズってたのでぜひ皆さん拡散してあげてください。

経営トップがこの考えでずっと組織作りをしてきているので、シンプルにコトに向かうことだけに集中できる組織を作れてきたのかもしれないですね。


最後まで読んでくれた方へ

ここまで長く読んでいただき、本当にありがとうございました。
誰かの役に立つ内容ではないかもしれないですが、自分の考えの棚卸のいい機会となりました。

拡散していただけるとすごくやる気が出るタイプなので、もしよかったらSNSでぜひシェアしてください!

最後に、2023年、Leanerでは12月にアドベントカレンダーとして多くの仲間がnoteをあげています。ぜひほかの記事も読んでみてください!

(本当は1日目に公開する予定だったんですが、風邪ひいてしまって延び延びになってしまいました。黒曜さん許してください)

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