火はわが胸中にあり寒椿/角川春樹/彼こそは森村誠一の志を最もよく知る勇者である
死刑囚の方は、朝が来たとき、その日一日生きていられるかわからそうです。早朝に、初めてその日が執行の日と知る制度であるからです。
そうした中で、かつての死刑囚は短歌に親しみました。
日々、脳細胞の機能が全開して、その思惟が短歌として結晶化するのです。
勿論角川春樹/火はわが胸中にあり寒椿/のように微罪での服役で歌を詠まれ方もおられましたが、この方はプロです。
如何に罪人であろうとも、歌を詠むとき、
生きる時間が黄金のように輝いた。
そう書いていて、ふと
以下の詞の解釈が一つではありえぬことに気が付きました。
村野四郎の詩より抜粋します。
彼は知っていた/小さい額が狙われているのを
けれども 彼に/どうすることが出来ただろう
彼は すんなり立って/村の方を見ていた
生きる時間が黄金のように光る