高校生が作った宇宙食が世界で初めて認証された!「さばの缶づめ、宇宙へいく」
「夢って本当に叶うんだな」
この言葉がこんなに胸に突き刺さるなんて、この本を読む前には想像もしなかった。高校生が作った「さばの缶づめ」が宇宙に届くまでの13年間。約300人の生徒たちが繋いだ夢のバトンに目頭が熱くなります。
高校生作った宇宙食?
2020年11月。
宇宙での長期滞在の任務にあたっていた野口聡一宇宙飛行士が配信したYoutubeの食レポ動画をご存じでしょうか?
内容は若狭高校に通う高校生たちが作った「サバ醬油味付け缶詰」を宇宙で食べるというもの。とても話題になったのでご覧になった方もいるかもしれません。
▼当時のネット記事
高校生の作った宇宙食が認証されるのは世界で初めての偉業です。宇宙食として認証を受けるためにはかなり厳しい審査を突破しなくてはいけないので、基本的には一般企業が多いです。
では、高校生たちはいかにして認証を受けるにいたったのか?
その姿を追ったドキュメンタリー作品がこの「さばの缶づめ、宇宙へいく」です。
書籍「さばの缶づめ、宇宙へいく」
著者:小坂康之 / 林公代
出版社:イースト・プレス
かつて教育困難校と言われるほど荒れていた小浜水産高校で始まった「宇宙食を作る」プロジェクト。学校が統廃合され、プロジェクトがなくなる危機にも直面しながらも夢を叶えていく様子にわくわくが止まりません!
壮大すぎる夢。1人では決して叶わなかった夢。
この夢が叶うまでの13年間には、夢が叶わなかったと悔しい思いをした子どもたちもいたことでしょう。
でも、彼らの努力は無駄ではない。その時発見したことや思いがちゃんと未来へ繋がった。誰か1人でもそこにいなければ叶わなかった夢。無駄な努力なんてこの世界に存在はしないんだ!なんて壮大なことを信じたくなります。
いつだって偉大な業績の裏には泥臭いほどの小さな努力と人の出会いがある。どれだけ時間がかかっても自らの意思で闘志を燃やし続けられる者だけが夢をつかむことが出来る。
このことを忘れずにいたいです。
大人にこそ読んでほしい
これは子どもたちの成長物語であり、大人の成長物語でもあります。「教育」というジャンルとしてもおすすめしたい一冊です。
子どもというのは、良くも悪くも真っすぐですよね。周りの環境にかなり影響されやすいです。だからこそ周りにいる大人の存在は大きい。
私は本書に出てくる「見取り」という言葉が心に残りました。生徒が変わるきっかけとなる瞬間を見逃さず、きちんと見取ってあげること。その瞬間はとても些細なものかもしれませんが、見逃さずに捉えてあげることがとても大切なのだと分かりました。
家庭とは違う。学校だからこそ出来ることってまだまだある。本書はこれからの学校教育の可能性を広げる一助になるのではないでしょうか。
さば缶を宇宙食にしたいと13年もの時間をかけてバトンを繋いできた生徒たちの思いと、それを支える大人たちの情熱がとても素敵な本なので、ぜひ読んでみてくださいね!
書籍「宇宙食になったサバ缶」
著者:小坂康之 /別司芳子
出版社:小学館
いつの間にか小学館からも出版されていました。「さばの缶づめ、宇宙へいく」よりも恐らく子ども向け。
写真やイラストも多くてこちらも面白そう!気になります!
番外編 : 静岡食材で、宇宙日本食をつくりたい!
㈱イシダテックさんのこちらのnote記事も胸熱。
宇宙食、めちゃくちゃ夢がある…!